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【ガソリンスタンド事情】当たり前が無くなる日

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  • 2021.04.04

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】vol.130。KAZUさんが2年間勤務されていたガソリンスタンド「伊伝ENEOS Dr.Driveセルフ湯ヶ島店」が閉店閉鎖しました。伊豆ツーリングの給油拠点として多くのライダーに利用されていたようですね。

令和3年3月21日、国道414号線沿いの伊豆市市山に所在していた伊伝ENEOS Dr.Driveセルフ湯ヶ島店が閉店閉鎖しました。従って、国道414号線の修善寺から河津までの区間、営業継続しているガソリンスタンドは昭和シェル石油系の1件(日曜日定休)のみになります。


僕はその伊伝湯ヶ島店にて、バイク乗りの実態調査を兼ねてアルバイト勤務しました。約2年間の勤務で知り得た事の一つに、伊伝湯ヶ島店を伊豆ツーリングの給油拠点としているライダーが実に多かったと振り返ります。


推測できるのは、道路事情の変化。伊豆縦貫道が月ヶ瀬ICまで延長したことにより、東名高速&新東名高速からのアクセス性が良くなり、その反面で給油ポイントが減りました。月ヶ瀬ICを下りて下田方面へ進むなら、河津までの区間はENEOS系の伊伝湯ヶ島店または昭和シェル系1件の2軒、函南の出光系を含めても合計3軒です。なので、例えば月ヶ瀬ICを下りてから給油すれば間に合う…という計画が成り立たない場合もあり。燃料タンク容量が10L以下のバイクでは、給油タイミングが難しくなりますね。


今後も施設&設備の耐久年数から、閉店閉鎖を余儀なくされるガソリンスタンドが次々と…。国策がカーボンニュートラルへと急速に進み、クルマやバイクのEVやFCVが普及すると、ガソリンスタンドの更なる減少も懸念されます。週末は伊豆ツーリング、そんな当たり前を出来なくなる日が来るかもしれません。


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2019年の春から勤務した伊伝湯ヶ島店。僕の家からだと片道25㎞位の通勤距離になりますが、ツーリング気分を味わうこともできました。閉店閉鎖に関して知ったことですが、伊伝湯ヶ島店のオープンは昭和42年。つまり、約54年間、地域の人々の生活を支え、観光客に親しまれてきたガソリンスタンドだったのです。加修や補修、仕様変更等を重ねて、これまで何とか延命してきたわけですが、それも限界に来ていたということになります。


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平日は延べ50台前後、土日は100台~200台のバイク客が立ち寄ってくださいました。僕の取材協力に快く応じてくれたライダーも多数。閉店までのカウントダウン期間は、更に多くのライダー&ドライバーが立ち寄ってくださいました。感謝!


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いよいよ閉店日、締めのライダー客は、事故ゼロ活動仲間でした。「あまり来られなかったけど、やはり最後はね!」地元バイク仲間の絆を感じて感激!そして、最後の最後は、これまでの想い出を噛みしめるかのような涙雨。これまでたくさんの出会いをありがとうございました。

制作・協力

■ライター:KAZU中西

フリーランスのモータージャーナリスト。通称カズ兄さん。イベントMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)などタレント業でも活躍。観察分析力に定評があり、開発に携わったバイク用品やカスタムパーツも多数。一方では、二輪車の事故防止&安全利用の最前線に立つ『Mr.事故ゼロ』とも呼ばれている。愛車はスペシャルメイドのZ2他。趣味はプレジャーボートのクルージング。

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