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【遠藤イヅルの名車カタログ】第31回 ホンダ・CX400/500ユーロ
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- 2017.07.15
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今回の名車は1982年発売のCX400/500EUROです。車名が示す通りヨーロッパを意識したデザインで、縦置Vツイン、シャフトドライブなど、海外ではヒット作だったようです。現代ではカフェレーサー風にカスタムするのが密かに流行っているようですね。
■ホンダ・CX400/500ユーロ ■エンジン:水冷4ストロークV型2気筒4バルブOHV
■最高出力:40ps/9,500rpm / 48ps/9,000rpm
■最大トルク:3.2kg-m/7,500rpm / 4.1kg-m/7,000rpm
ホンダが1978年に送り出した「ウイングGL500」は、
縦置き80°VツインOHV(!)エンジン、しかもシシリンダーを22°ひねって配置、
さらにも水冷で、駆動にはシャフトドライブを介するという
画期的かつ独創的な設計を持っていた。
しかもOHVながら10000rpmに耐える高回転化を実現していた。
その一方低速からもパワーがあって乗りやすく、実用性にたいへん富むエンジンだった。
国内および北米向け以外では一部が「CX」と呼ばれていたが、
1982年に国内仕様車もCXユーロに発展して統一されることになった。
なお、その前年の1981年、国内でも「CX500Turbo」が先行で発売されている。
GL500のモデルチェンジ車となるCXユーロは、
基本的にはGLのパワーユニット(400/500cc)を引き継いでいるが、
四角くなったボディデザイン、小さなフェアリングに収まる矩形ライト、
この頃のホンダを象徴するブーメラン型コムスターホイールが
80年代のバイクにふさわしいスタイルを作り上げている。
CX500ターボの技術や面影もプロアーム化されたリアサスや
テールランプ周辺に見ることが出来る。
ドライビングフィールもGLよりも軽快な味付けとされ、
GLから引き継いだ200kg超の車重を感じさせないスポーティさも備えていた。
このほか国内向けのCXシリーズには、
アメリカンスタイルの「CX-CUSTUM」が1983年に追加されたが、
凝った設計のGL/CX用Vツインは惜しいことにこのモデルで命脈を絶ち、
その後同パワートレーンを採用したモデルは登場していない。