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【遠藤イヅルの名車カタログ】第33回 スズキ・GSX-R

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  • 2017.08.10

毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今回の名車は400cc最強の「スズキ・GSX-R」のご紹介です。

■スズキ・GSX-R(GK71B) ■エンジン:水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ398cc

■最高出力:59ps/11000rpm ■最大トルク:4.0㎏-m/9000rpm


スズキのレーサーRG500Γの名前を受け継ぐ「スズキRG250Γ(ガンマ)」は、

1983年に鮮烈なデビューを果たした。

2ストクォーター(250cc)で45psを達成したピーキーなエンジンは

低回転での使用を考慮していない、と宣言するように

タコメーターの目盛の3000rpm以下がない!という徹底ぶりだった。


そのエンジンを量産車初のアルミフレームを持つ軽量車体に搭載していたRG250Γは、

まさにレーサーレプリカという名にふさわしい内容を持っていた。


その興奮も冷めやらぬ翌1984年、スズキは続いて400ccクラスにも

強烈なレーサーレプリカモデルを送り込んで来た。それが、「GSX-R」だった。

レーサーレプリカらしさを強調する丸目2灯が特徴的だ。


GSX400FWに搭載していた水冷4スト直4DOHCエンジンは、

GSX-Rヘの搭載にあたりキャブレターの変更や吸排気バルブの

大型化などによって50psから59psへと大幅にパワーアップ。

パワーユニット自体も10kgほどの減量を果たしている。


そしてΓ同様のアルミフレームを採用した軽量車体は

GSX250FWよりも26kgも軽量化したため、車重は152kgに留まり、

59ps+152kgの組み合わせで400ccクラスとは思えない動力性能を誇った。


そのため、一説には車名に排気量が付かない理由は、

クラスを越えたモデルだから、という意味が込められているという。

なお、GSX-RもΓ同様、3000rpm以下の数値がタコメーターに無い。


高性能、軽量、軽快なハンドリング、によって

GSX-Rは一気に1980年代前半を代表する一台に躍り出たのであった。


イラストは登場後に追加された限定車のHB(ハーベー)カラー。

1983年世界耐久選手権のチャンピオンとなったGS1000Rのイメージを反映しており、

GSX-R=レーサーレプリカの構図をより鮮明なものとした。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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