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【遠藤イヅルの名車カタログ】第35回 ヤマハ・YDS1
- おすすめコラム
- 2017.09.09
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今回の名車は、ヤマハ2ストスポーツのルーツとなるピュアスポーツ「YDS1」のご紹介です。
■ヤマハ・YDS1 ■エンジン:空冷2ストローク 並列2気筒 246cm³
■最高出力:14.7kW(20.0PS)/ 7,500r/min ■最大トルク:18.6N・m(1.9kgf・m)/ 6,000r/min
国産初ともいえる本格派スーパースポーツとして
ヤマハYDS1は1959年に「250S」として生を受けた。
ヤマハは1957年の第2回浅間火山レースで125cc/250cc両クラスに
同社初のバイク「YA1(125cc・赤トンボの愛称で親しまれた)」
そして「YD−1(250cc)」をベースにしたレースマシンで出場、
両クラスの上位を独占する素晴らしい戦績を残した。
このとき優勝したYDのレース仕様が、YDS1のベースである。
小さな風防、タコメーターを含めた素コンビメーター、
国産初の5速ミッションを備え
250cc2スト2気筒エンジン+大径のミクニVM20キャブによって
20psという高性能と0−400m加速16.8秒という群を抜いたスペックを
持っていたYDS1は
その独特のオレンジメタの塗装とともに多くのバイクファンに衝撃を与え、
発売後は大いに人気を集めた。
YDS1の特徴は、モータースポーツ用にロードレース用のみならず
スクランブラーキットも発売されていたことだった。
YDのレースマシンはフラットなダートコースの浅間だけでなく
山岳コースだったカタリナ(アメリカのサンタ・カタリナ島)でも
仕様を変更して参戦が出来たのだが、
その思想がYDS1にも活かされていたことになる。
YDS1が確立した「ヤマハ=2ストスポーツ」という図式は、
やがてずっと後に名車・RZ250を生むこととなるのだった。