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熱きモノづくり精神を身近に感じる体験型イベント

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  • 2022.12.12

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】vol.160。今回は、モノづくりコンテンツを色々体験できるイベントの様子をご紹介します!

先ごろ11月5日、モリワキエンジニアリング本社にて、モリワキ祭が開催されました。モータージャーナリストとしてのお付き合いはありますが、今回は一人のモリワキファン&モータースポーツ愛好家として参加。初の試みとして用意されていたモノづくりコンテンツも、色々と体験させていただきました。

 

【目次】

1.取材記者の職業病? やっぱり見入ってしまう歴代マシンの展示

2.技術者の思いも感じられるモノづくり体験

3. 期待高まる50周年への思い

 

 

 

  • 取材記者の職業病? やっぱり見入ってしまう歴代マシンの展示

80年代リアルタイマーの僕としては、モリワキの歴史を物語るレーシングマシンの展示に、いつも感謝しかないです。何故なら、それらの貴重なマシンを運搬・展示するのに、どれだけの苦労があるかを知っているからです。なので、現車を見られるだけで活躍当時を思い出し、嬉しくなってしまいますが、逆に言えば展示されているレーシングマシンたちが激闘を繰り広げていた時代を知らない若者が、どのように見るか?についての興味もわいてきます。しかし、今回はあくまでも一人のモリワキファンとして参加しているので、インタビュー取材は自粛しました。それでも、僕を知っていて声をかけてくださるモリワキフリークが何人もいらっしゃっていて、昔話に花が咲いたことにも喜びを覚えました。

 

普段はなかなか立ち入れないモリワキエンジニアリング本社。モリワキフリーク&ユーザーにとっては、マザーファクトリーかつ聖地です。当日は、朝早くから物販ブースに長蛇の列。現在は販売されていないウェア類などもあって、宝探しみたいな感覚だったのかもしれません。

 

モリワキ独自のフレームに、カワサキZ1000系の空冷DOHC4気筒エンジンを搭載したMONSTERシリーズ。#30はワイン・ガードナー氏が駆り、一躍脚光を浴びることになった別称モリワキスーパー1000。#14は世界初のアルミフレームレーサー・別称モリワキモンスターです。まだワークスマシンが鉄フレームだった時代に、まさにゼロから作り上げたモリワキのフレーム理論を垣間見れる展示です。

 

80年代リアルタイマーには、どストライクなマシン。#2は、元HRCワークスライダーであり、MotoGPの解説者としても活躍中の宮城光氏が、スーパーノービスと呼ばれていた時代のZERO-X1です。エンジンは、CBX400Fベースのモリワキチューニング仕様。#YはCBX750Fエンジンを搭載するZERO-X7です。珍しいフレーム形状のマシンは、限定販売されたZ50M。その当時、エンジンはモンキーバハがいいんじゃない?なんて、僕と同世代の人たちの間で話題になっていました。国内レースのレギュレーションで、オリジナルフレームが認められていた時代の象徴的なマシンたちです。

 

つい先日まで走っていたような気がするモリワキオリジナルフレームのレーシングマシンです。フロントカウルのナックル部に「TIGER・SAHARA」とあるマシンは、ホンダV5エンジンを搭載するMD211VFです。オリジナルのモリワキフレームは、セッティング変更のしやすさから、あえてクロモリパイプを使用。もう1台の#72は、Moto2参戦を見据えて開発された、モリワキオリジナルアルミフレームのMD600です。MD600は、Moto2元年にコンストラクターチャンピオンシップ2位の快挙を成し遂げました。

 

モリワキ40周年イベント・温故知真にてアンヴェールされたCB1100ベースのコンセプトモデルです。ベテラン勢はあえて口を出さず、若手エンジニアが集まって造ったと当時の会場で紹介されていました。現在のネオレトロブーム、カフェレーサースタイルに先んじての発表。レーシングマシンにも言えることですが、モリワキはいつも一歩先をいっているように思います。

 

  • 技術者の思いも感じられるモノづくり体験

振り返ってみれば、エポックメイキングなバイク用パーツを、数多く世に送り出してきたモリワキ。市販品となったレーシングパーツはもちろん、ボルトオン仕様のストリートリーガルパーツにおいても、レーシングテクノロジーを惜しみなく投入しています。製品を装着、使ってみれば、その一端を垣間見ることはできますが、製作担当したエンジニアがどのような思いで作ったのか?までは推測の域を越えません。しかし、このようなイベントでは、エンジニアたちと直接話ができるため、その推測が当たっているのか、はたまたまったく異次元の思いなのかを知ることができます。そんなモリワキ製品がどのようにして作られているのか、その一部ですが直接目にするだけでなく、モノづくり体験もさせてもらえると…。さらに、どのような加工テクニックが必要なのかまで、惜しみなく教えていただきました。その語り口は熱く、思いの強さにグイグイと心をつかまれます。

小判型の金属プレートに、「モリワキ」ロゴを打刻する体験。プレートをして位置にセットしてプレスで一気に押すという、横で見ている分にはとても簡単な作業ですが、初めての経験だとやはり緊張するものです。

 

自分で整備する人にとっては、わりかし身近な存在だと思えるトルクレンチ。ボルト類の締め付け力が規定値に収まっているかを確認するときに使う工具です。訊けば、モリワキのエンジニアレベルになると、自身の感覚で規定トルクとなるよう締め付けることができるとか。俗に「手ルクレンチ」と言ったりしますが、果たして自分の手ルクレンチはどこまで正確なのか?を簡易的にチェックできる体験です。用意されていたのはM8のボルトで、規定トルクは22.1N・m。普段からDIY作業の多い僕としては、余裕でドンピシャ!と思っていましたが、やってみればオーバートルクの30N・m。その後、モリワキスタッフが実践してみると、ほぼ誤差無しでOK!でした。

 

レースメカニックよろしく、ディスクローターの早替え作業を体験です。さほど難しくなかったのですが、早く確実に…となれば焦りが出てしまい、余分な時間を要します。レースの世界では、一刻一秒を争うわけですから、この作業一つとってみても想像を絶するテクニックと修練期間があるのだろうなぁと思いました。

 

鈴鹿8耐などで目にすることがあるでしょう。給油作業の体験コーナーです。ここではガソリンの代わりに水を使いましたが、重量としては大して変わらないことから、ほぼレースシーンさながらの体験ができるというわけです。クイックチャージのガスタンクを担いで知ったのは、とにかく重い!また、支える腕力の負担を軽減するべく、肩でも支えられるよう高さ変更可能なブラケットが装備されていたこと。現場メカニックへの気遣いと、素早く確実な給油作業をアシストするスグレモノだと思いました。

 

耐久レースにて、よく目にするピット作業と言えばタイヤ交換。何故あんなに素早く交換できるのか?今回は体験することで、その秘密を知りました。簡単に言えば、脱着しやすいような構造への改造、使用する工具とタイヤの配置、担当メカニック同士の意思疎通。この3つが重要だと気づかされました。目標タイムは7秒台でしたが、結果は15秒台と撃沈。僕にレースメカニックは向いてないなぁと実感。

 

  • 期待高まる50周年への思い

1973年に創業したモリワキエンジニアリング。2014年は鈴鹿サーキットにて40周年イベントを開催、そして来年2023年は50周年を迎えます。この節目に新しい何かをやってくれるのではないか?と期待せずにはいられません。そのプレイベント的なことが、今回のモリワキ祭だったのでは?そんな風にも思います。フォーサイトマフラー時代からお世話になっている僕としては、モリワキ理論でこしらえたフレームのバイクを走らせ、今のレースシーンに喝を入れて欲しいなぁと。やはり技術力は競ってこそ向上するものだと思います。その辺の超個人的な思いもエンジニアに伝えることができ、参加して本当に良かったなぁと満足のいくイベントでした。

 

「おう!来てくれたんか」いつも通りに声をかけてくれた森脇護社長。「あ、カズさん。いつもお世話になっております」同じく、いつも通りに声をかけてくれた森脇尚護副社長。お二人とも、変わらずお元気で何より。タイヤ交換体験では、「15秒もかかったら、ライバルチームに200mも先に行かれてしまうぞ!」と、笑顔で檄を飛ばしてくれた森脇社長。本当にレースが好きなんだなぁ。

 

モリワキフレーム第1号機と言えば、CB125JXベースの24ps超チューンナップエンジンを搭載したME125W。2スト全盛の時代に4ストで孤軍奮闘。そんな歴史の一端に触れることができたのは、2輪専門誌のレース参戦企画で走らせたAPEベースの俗称モリワキプチモンスター。エンジンはST-3カムを投入したハイパー仕様。なんと!森脇護社長自らが手曲げしたハンドルバーを装着していました。ライバルチームのマシンより少ない排気量のエンジンながら、とてつもないスピードを出せたことは、忘れえぬ思い出になっています。

 

本格参戦に先駆け、メディア向けプレス試乗会にてライディングを許されたMD600。当日は時間の都合上、試乗は3名までとなっており、僕の次に試乗するのは中野真矢氏ということで、ド緊張だったのは言うまでもありません。初ライドでも乗りやすいようセッティングされていたとはいえ、ブレーキング時の車体の沈み込みに、あぁこれがモリワキ理論なのかと。旋回状態でも自由度の高い操縦性を可能としていました。その一端を感じられたことは、モータージャーナリストとして大きなプラスとなっています。もう、感謝しかない!

 

イベントレース用に製作したというZ900RS鉄馬。以前、テイストオブツクバに参戦したゼファー1100レーサーを彷彿とさせるイデタチです。投入されているパーツ群にモリワキスピリッツをひしひしと感じますが、中でも注目したのはステップのデザイン。現在市販されいる何物にも似ていない独創的な作り込みでした。とは言え、その格式はともかくモリワキがレースに参戦するとなれば、期待するのはモリワキオリジナルフレーム車。ルール上、オリジナルフレームの使用がOKなレースに参戦してもらいたい。そう思うのは、僕だけではないはず。

 

今回はモリワキに敬意を表する意味で、カズ兄のZ2を駆りました。本来はモリワキワンピースマフラーのエキゾーストノートを奏でつつ…そんなシーンですが、装着が間に合いませんでした。スンマセン。これまでと明らかに違うのは、モリワキというか鈴鹿までの所要時間。新東名の開通で大幅な時短となっています。帰路もスムーズで、まさか鈴鹿‐伊豆の日帰りがこんなにも楽になるとはねぇと、改めて思う次第。会場で食べたモリワキスーパー1000デザインのバイク弁当、容器はモチロン洗って持ち帰りました。これでまた、モリワキ関連のグッズコレクションが増えた。2023年、もしモリワキが何らかのイベントをやるとしたら、ぜひとも参加させていただきたい!そんな決意を新たにする1日でした。

 

関連リンク

モリワキエンジニアリング

 

制作・協力

■ライター:KAZU中西

フリーランスのモータージャーナリスト。通称カズ兄さん。イベントMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)などタレント業でも活躍。

観察分析力に定評があり、開発に携わったバイク用品やカスタムパーツも多数。

一方では、二輪車の事故防止&安全利用の最前線に立つ『Mr.事故ゼロ』とも呼ばれている。愛車はスペシャルメイドのZ2他。趣味はプレジャーボートのクルージング

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