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恒例イベント化? 秋の箱根をみんなで走る

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  • 2023.11.10

一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)が主催するツーリング企画「やるぜ!箱根ターンパイク2023」のレポートです!

昨年、2輪免許を持っていない障がい者が一般公道をツーリングするという、夢の企画が行われましたが、そこから丸一年、ふたたび箱根ターンパイクに障がい者とその仲間、そして彼らの走りを支えるボランティアスタッフが集まって、2度目の「やるぜ!!箱根ターンパイク」が開催されました。

 

  • 過去最多のボランティアスタッフもかけつけた

一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)が主催するツーリング企画「やるぜ!箱根ターンパイク2023」が神奈川県にある「箱根ターンパイク」で開催となりました。

 

SSPは、障がいがある方の「オートバイに乗る」という夢をサポートする支援団体で、ロードレース界のレジェンドでもある青木三兄弟の三男・治親が代表理事を務める一般社団法人。青木三兄弟の次男・拓磨が1998年にGPマシンのテスト中の事故によって脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされていたわけですが、その元WGPライダーに「もう一度バイクに乗ってもらおう」という企画を立案し、実際にバイクに乗る機会を提供したことで、この感動をもっと一般のライダーにも広めたい、ということでSSPが立ち上げられたのです。

 

そのSSPの主な活動として開催されているのが「パラモトライダー体験走行会」です。バイク事故などによってバイクを降りざるを得なくなってしまった障がい者を中心に、再びバイクに乗ってもらおうということで開催しているイベントで、2020年6月から頻繁に開催してきています。

 

バイクに再び乗ってみるという機会の提供ということで、ヘルメットやグローブなどのライディングギアもすべてSSP側が用意しています。下半身麻痺の方にはシフト操作を手元で行なえるハンドドライブユニットを搭載したり、視覚障がいの方にはインカムで走行指示が出せるようにしたりして、使用するバイクは、基本的に体験会参加者の身体の状況に合わせてカスタムしています。バイクの動き出しと停止のタイミングでボランティアスタッフが支えることとなっています。

 

「パラモトライダー体験走行会」はこの約4年で、「袖ケ浦フォレストレースウェイ」、「富士スピードウェイ」、「鈴鹿サーキット」、「ホンダセーフティ&ライディングプラザ九州(HSR九州)」といった全国各地のサーキット、そして「筑波サーキット」のオートレース選手養成所。さらには「群馬県自動車学校」、「向ヶ丘自動車学校」、「ファインモータースクール上尾」といった自動車教習所、ほかには「日本ミシュランタイヤ 太田サイト」や「さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト」といった各所で開催されてきており、すでに延べ120名以上のパラモトライダーを輩出してきています。

 

  • 夢の実現がふたたび

SSPの立ち上げ当時から、その活動の先に夢見てきたのが、実際の公道でパラモトライダーたちと一緒にバイクでツーリングをするというものでした。事故を機に2輪免許を返納してしまっているパラモトライダーも多く、そういったライダーが走れる場所として候補に挙がったのが、一般公道でありながらも占有が可能な神奈川県にある「アネスト岩田 ターンパイク箱根」でした。ここを貸し切りにしてしまえば、免許のないパラモトライダーでもツーリングが可能になるのです。

 

昨年9月に実際に「やるぜ!!箱根ターンパイク」と題して、この夢が実現し、多くの感動を生む時間を持つことができました。しかしSSPはこの一回で満足することはなかったのです。この箱根のツーリングに参加できるライダーは一定のレベルまで上達したライダーに限定しており、SSPが認定したメンバーに限られます。毎月のように「パラモトライダー体験走行会」は開催されてきており、続々とパラモトライダーが誕生しています。現在は一定のレベルを有しているのに昨年の箱根を走れなかったパラモトライダーもいます。

 

そして2回目のターンパイクには、箱根初参加となる4名を含む13名のパラモトライダーが集結。そのパラモトライダーたちが誘った友人ライダー(健常者)は41名、ボランティアスタッフが過去最多の110名にも上りました。5社の企業が出展ブースを構えることとなりました。

 

昨年は、箱根ターンパイクの小田原料金所をメイン会場としていましたが、今回はそれを大観山口に移し、その広い施設を利用しての開催となりました。昨年は会場スペースの都合で一般見学をお断りしていたわけですが、今回は来場した見学の方々のスペースも用意でき、見学者も多数来場していました。

 

障がい者と健常者が共に風を感じ、同じ景色を楽しみ、すれ違うライダーと手を振りあう、そんな片道13kmのコースを往復するツーリングを各参加者が2回ずつ堪能することとなりました。ボランティアスタッフは、パラモトライダーのバイクへの移乗や、スタートとストップのサポートだけでなく、コースサイドにもいざという時のためにスタンバイしており、コースサイドからこのライダーたちに声援を贈っていました。さらに昨年に引き続き、小田原警察署交通機動隊の協力もあって、このツーリングには白バイの先導という貴重なプレゼントもありました。

 

箱根ツーリングを終えた参加者やその友人たちはもちろん、集まったボランティアスタッフ、さらには見学者からも笑顔があふれていました。そして最後にはこのツーリングを企画したSSPの青木治親代表の涙に、もらい泣きするメンバーも多数現れました。「共に生きる」共生社会の実現に向け、サイドスタンドプロジェクトの活動が止まることはなさそうです。

 

  • 「隔たりの無い社会」の実現に向けて

「隔たりの無い社会」の実現に向けて、これからも一般社団法人SSPの活動は続きます。

 

車いすドライバーとして活躍している青木拓磨選手も合流。昨年欠席していたこともあって「10代の時にオートバイで公道を走った時以来」という箱根路を堪能していました。

 

多くの見学者も集めて開催となった今年の「やるぜ!!箱根ターンパイク」。大観山口には、今年はバルーンゲートも設置されました。

 

昨年に引き続いて、小田原警察署交通機動隊がこの「やるぜ!!箱根ターンパイク」に協力。白バイの先導付きのツーリングとなりました。

 

制作・協力

■文:青山義明 ■写真:SSP ■協力:一般社団法人サイドスタンドプロジェクト

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