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【遠藤イヅルの名車カタログ】第38回 ホンダ・FT400/500
- おすすめコラム
- 2017.10.29
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は、1982年発売時、男らしくて異質なバイク?と感じたフラットダートバイク「ホンダ・FT400/500」のご紹介です。
■ホンダ・FT400/500 ■エンジン:空冷4ストローク4バルブSOHC単気筒398/497㎠
■最高出力:27ps/6,500rpm(400) 33ps/6,500rpm(500)
■最大トルク:3.2kg-m/5,000rpm(400) 4.0kg-m/5,000rpm(500)
日本ではあまり馴染みが無いが、アメリカでは
「ダートトラック」(フラットトラック)と呼ばれる未舗装の平面コースを
周回するレースが盛んだ。
ホンダ・FT400/500は、そのフラットトラックレースに参戦するマシン
「フラットトラッカー」をモチーフにしたバイクで、
四角いサイドカバーは参戦マシンのゼッケンをイメージさせ、
ファットな後輪もフラットトラッカーを意識させた。
前述のように日本ではダートトラック競技は親しみが少なかったこともあり、
「オフロードバイク風なのにロードスポーツ」という性格と
これまでの国産バイクには無かったスタイリングはとても新鮮だった。
開発のベース車は単気筒オフロード車の「XL400R(とXL500R)」で、
FT400/500のエンジンもそれの細部を変更して搭載していた。
4バルブSOHC単気筒エンジンは低速から豊かなトルクを生み出し、
街中でも高速でも乗りやすい特性を与えていた。
また、ビッグシングルながらも2軸バランサーの採用で振動も抑えられており、
ワイルドな見た目に反してとても乗りやすいモデルだった。
なお北米市場ではFT500に「アスコット」という名称が与えられていた。
これは数多くの著名なライダーを輩出したロサンゼルス郊外のダートトラック場の名称だった。
また、FT500にVT500のVツイン500ccエンジンを積んだ
「VT500FT」というモデルも北米向けに存在し、
こちらも同じく「アスコット」と呼ばれていた。
ホンダのフラットトラッカー風バイクは他にも、
1986年にFTR250、2000年にはFTRが発売されている。
■メーカーのページ:http://www.honda.co.jp/news/1982/2820531.html