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ホンダ 高校生 電動二輪車技術・安全運転講習会 レポート!
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- 2024.03.28
2024年3月5日に埼玉県立秩父農工科学高等学校で行われた「ホンダ 高校生 電動二輪車技術・安全運転講習会 」のレポートです!
2024年3月5日(火)に、埼玉県立秩父農工科学高等学校で行われたイベントをレポートします。
このイベントは「高校生 電動二輪車技術・安全運転講習会」として、同校学生を対象に実施。
若年層に対する電動二輪車の有用性や利便性を訴求し、安全運転の啓蒙を図るのが目的です。
Hondaは「2050年に全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルをめざす」取り組みを推進。
校内において、電動二輪車のEM1 e: を教材とした講義と安全運転講習を行いました。
埼玉県は「三ない運動」廃止後、2019年よりバイク免許取得を許可し安全運転教育を開始。
同校学生もバイク免許を取得(届出制)、車両を所有し通学に使用する人もいるそうです。
(三ない運動=「免許を取らない」「乗らない」「買わない」の3つを提唱する社会運動)
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午前は電動二輪車の技術の講義を実施
午前の時間は、教室で2回に分けて講義を行いました。
講師は、本田技研工業株式会社 EM1 e: 開発責任者の後藤香織氏(左)と、開発責任者代行の内山一氏。
電動二輪車の仕組みを知り、カーボンニュートラルと電動モビリティについて考えるきっかけとして実施。
「バイク開発エンジニアの仕事紹介」は、プロジェクトチームによる商品開発の流れを説明。
「カーボンニュートラルに向けた世界の流れ」は、取り巻く環境の変化への対応を解説。
「モビリティの電動化への取り組み」は、環境や意識の変化に対する人々の移動手段の進化を紹介。
「電動モビリティ普及に向けた課題」は「充電時間」「航続距離」「バッテリー回収」「コスト」を提言。
EM1 e: は、これらの課題を「電動二輪車用交換式バッテリー」採用により対応。
EM1 e: 開発のねらいは「日々の生活スタイルにマッチする ちょうどe: Scooter」。
手軽:多くの人に使われる原付一種クラス
便利:交換式バッテリー採用
安心:安心感を重視した車体パッケージング、扱いやすくスムーズな加速性能
スリムな車幅を実現可能にした、インホイールモーター採用。
シート下に、交換式バッテリーを1つ搭載(充電時間 約6時間)。
「電動バイクの構造」は、バッテリー、モーター、コントロールユニットの3つが、システムの基本。
「モーター・バッテリーのしくみ、電動バイクの特徴」では、電気エネルギーを機械エネルギーへ変換。
「電動バイクの課題、乗って感じられること」は、リチウムイオンバッテリーの特徴などを学びました。
開発テストでは、高いところからバッテリーを落下させたり、深い水たまりを走行するなど安全性を確認。
ガソリンエンジンと電動バイクの違いも説明。
電動バイクはモーターの採用によって、クラッチとトランスミッションを搭載していないのが特徴。
排気音やオイル臭のない、家電感覚で扱える静かでクリーン、快適な乗り心地を実現。
課題としては「エネルギー密度の問題」により、一回の充電で走れる距離を確保することをあげました。
商品開発ではターゲットユーザーを想定し、ユーザー調査を行って目標を設定。
通学をきっかけに、地域の環境への配慮やカーボンニュートラルのことを考えるのを提案しました。
参加した工業科2年生と、フォトセッションを実施。
講義後には、学生たちが電動バイクを興味深く見たり、講師の2人に質問をしていました!
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午後は安全運転講習会!
午後の安全運転講習会では、通学などの使用状況を想定した技術向上と、安全意識の啓発を図りました。
ライディング装備で校舎をバックに記念撮影って、なかなか経験できない機会ですよね。
埼玉県警の白バイ隊員2名が講習に特別参加。
ヘルメットの正しいあごヒモの使用と、プロテクターの重要性を説明しました。
白バイ隊員が装備するエアバッグ内蔵プロテクターを、学生が実際に作動させて効果を確認。
この日は気温が低く、天候の変化も心配でしたが、なんとかドライの路面での走行が可能に。
わずかな霧雨が降っていましたので、レインウェアを着用。
3組に分けた講習には、就学数は少ないながらも女子学生が参加。
低いシート高とスリムな車体なので、このくらいの足つきなら不安感はないと思われます。
学校の先生も、講習に参加(右)。
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学校の敷地内を電動二輪車で走行
最初は、左レバー(後輪ブレーキ)のみを使っての停止を体験。
EM1 e: は「コンビブレーキ」装備なので、左レバーをにぎると前後に制動力をほどよく配分。
安定した制動によって、安心感が高まります。
その後はコースを周回。Uターンの練習も行いました。
校内は広い敷地とフラットで幅広い通路があり、講習に最適でした。
電動バイクは、これだけの数がいっしょに走っていても排気音がないので静かですね。
高校内の特設コースで講習を行う、特別な時間。参加者が楽しそうに走っていたのが印象的でした!
講習中、白バイ隊員は後方から学生の走りを見守っていましたが・・。
講習会終了後に、お二人も電動バイクの感触を確かめて笑顔が出ていました(笑)。
学生は講義と講習で電動バイクを理解し、エンジニアの仕事に興味を深めた一日だったと思います!
(取材協力)
株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
(写真・文)
森井智之