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【スーパーカブ】アジアクロスカントリーラリーに参戦した名車スーパーカブ

  • 中古バイクカタログ
  • 2025.03.19

海外のラリーにカブが参戦!?レポートが届きました!

総走行距離2000km、日々のSS(競技区間)も連日200km前後を走行するラリーレイド「アジアクロスカントリーラリー2024」が2024年8月12日(月)から17日(土)までの6日間を使って開催されました。このラリーには4輪46台、3輪2台、そして2輪19台が参戦したのですが、その中には排気量わずか90㏄のスーパーカブも参戦していました。

 

  • 3台ものスーパーカブが このラリーレイドに挑戦

第29回目となるアジアクロスカントリーラリー(AXCR)がタイ王国で開催されました。AXCRは東南アジアを舞台に1996年から初開催されてきているFIA・FIM公認国際クロスカントリーラリー。毎年8月に開催されてきているこのラリーは、毎年コース設定が変わり、これまでタイ王国、マレーシア、シンガポール共和国、中華人民共和国(雲南省)、ラオス人民民主共和国、ベトナム社会主義共和国、カンボジア王国、ミャンマー連邦共和国などで開催されてきています。

 

山岳地帯やジャングル、沼地、海岸、砂漠、プランテーション、サーキットなど、アジアならではの特徴あるコースを設定しています。ここにアジア特有のスコールなどの気候の中でのラリーとなります。今回はタイ南部の街スラタニから北部のカンチャナブリまで、総走行距離は2000kmを超え、競技区間(SS)も940km設定されるラリーとなりました。

 

今回2輪部門で大きな注目を浴びることとなったのが、スーパーカブの参戦です。ゼッケン17の後藤大輝選手(Team Super Cub JAPAN Yotsuba motor)は、ハードエンデューロにも参戦をしているオフローダーであり、4輪チーム「ガレージモンチ」のスタッフとしてAXCR参戦の経験もあり、今回の参戦を決めたということです。その後藤選手に誘われる形で参戦することとなったゼッケン19の谷通秋選手(GARAGE GAIN)とともにスーパーカブ90で参戦しました。そしてもう一台のカブがゼッケン8の熊田誠司選手(Team JAPAN)が持ち込んだハンターカブ。これまでCRF 250Lで参戦を続けてきた熊田選手が乗り換えたのがこのマシンでした。250から450クラスのオフロードマシンが居並ぶ中で非常に異質な存在でした。

 

スーパーカブといえば、東南アジアでは庶民の足として非常に有効活用されてきているなじみ深い存在です。実際にAXCRの現場でも、オフロードマシンがスタックしている横を2人乗りや3人乗りで通り過ぎていく、という光景を見て、カブでも走り切れるのではないかという考えで今回の3名は参戦を決意したようです。

 

コマ図の解読が厳しかった今回のAXCRでは、550kmを超える長距離移動日となった競技2日目は多くの参加者がロスト(道に迷う)し、時間までにチェックポイントを通過できずタイムオーバーになるなど、困難を極めたといえます。隣国ミャンマーとの国境近くに広がる山間部のガレ場がコースとして用意された競技4日目は、2輪19台中15台が不通過もしくはタイムオーバー。さらにこの4日目のSSの影響で3台が翌日の競技に出走できなくなってしまいました。最終日となった競技6日目も1名を除いて規定最大時間内にゴールができなかったり、と参加者にとって非常に厳しく過酷な一戦となっていました。

 

そんななかでも、後藤大輝選手は初日から5番手タイムを出し、その後も順調に走行を重ね、総合7位という素晴らしい成績でこのスーパーカブでの初挑戦を終えることができました。そして総合11位には熊田誠司選手が入り、谷 通秋選手は総合14位で、最終地点のカンチャナブリの特設ゲートをくぐることができ、フィニッシャーメダルを受け取ることができました。

 

スーパーカブが2輪部門の上位争いを展開するということはなかったですが、それでもほぼノーマルのままのカブが大きなトラブルもなく2000kmを駆け抜けたということは、その実力の高さを魅せる結果となりました。まだ来年以降の参戦については何も決まっていないということでしたが、引き続きスーパーカブでの挑戦を見続けたいと思います。

 

  • 画像レポート

 

総走行距離2000kmにも及ぶアジアクロスカントリーラリーに、スーパーカブ90で参戦した#19 谷 通秋選手(写真左)と#17 後藤大輝選手(写真右)。

 

セレモニアルスタート地点を出発する谷選手。

 

スーパーカブ90はほとんど補強もせず、レッグシールドも装着したままだしタイヤも標準装着タイヤだ。

 

乾いたダートが大半だったが、ゴツゴツのハードな路面や河原のフカフカの砂まで路面はさまざまだ。ハンターカブの#8 熊田誠司選手。

 

#19の谷選手は、初日に7時間のペナルティを受けてしまい、走り続けはしたがDNS(出走なし)という結果となった。

 

谷選手が2日目のスタート地点にたどり着いた時には全車がスタートし終わり、運営スタッフも撤収した後だった。

 

ダム湖の周囲の観光道路もコースとなった。クロスカントリーラリーだけに、もちろん路面はダート。

 

四輪部門に参戦したメンバーが#17 後藤大輝選手のセレモニアルスタートを盛り上げた!

 

スタートからしっかり目立つパフォーマンスの後藤選手は、総合7位でフィニッシュ。

 

250〜450ccクラスのオフロードモデルばかり中で、スーパーカブ&ハンターカブの3台ともが「フィニッシャーメダル」を手にして、さすがスーパーカブはエラい!

 

制作・協力

■文・写真:青山義明

 

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