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【遠藤イヅルの名車カタログ】第45回 スズキ・コレダ ツインエース250TA
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- 2018.02.11
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は”オートバイはこれだ!”という命名エピソードを持つ「スズキ・コレダ ツインエース250TA」のご紹介です。ノスタルジックなデザインがイイ感じですね。
■スズキ・コレダツインエース250TA ■エンジン:空冷2スト並列2気筒246cc
■最高出力:18ps(13.0 kw)/7000rpm ■最大トルク:1.9kg・m(18.6N・m)/6000rpm
国内バイクメーカーの雄、スズキは
1909年創業の鈴木式織機製作所に端を発する。
戦後の1952年に36ccエンジンを積んだモペッドの
「パワーフリー」を発売、同社のバイクの歴史が始まった。
1955年の「コレダ125」で本格的なバイクの製造に着手、
以降矢継ぎ早にニューモデルを発表していった。
「コレダ ツインエース250TA」は、
大きなヘッドライトナセルや装飾を持ち
「バイクのキャディラック」と呼ばれた
「250TT(1956年)」に初搭載された2気筒2ストエンジンバイクの
流れを組むモデルで、1960年に登場した実用モデルだった。
デザインは当時としては鋭角的な「ジェットラインボディ」
と呼ばれるデザインをセルツインSB(1958年)に継いで採用。
もちろん、同時期のスズキのバイクを象徴する
「馬蹄形」ヘッドライト(ヘッドライト下端が直線になっている)
も用いられていた。
新しいスタイルだけでなく
前後同時制動の油圧ブレーキを国内初採用するなど
技術的なトピックも多かった。
セルツインSB同様、セルモーターも搭載されていた。
ツインエースという車名の由来にもなった246cc2スト2気筒エンジンは
18psを発生し、スズキらしく性能は十分なものだった。
発表翌年の1961年にはこのエンジンを20psまでアップした
スポーツモデル「250TB」、
1963年には250TBをビジネスバイクにした「250TC」を
相次いで登場させたが、
いずれも外観的にはむしろクラシックな印象を与えるのは興味深い。
250TB/TCでは250TAの特徴だった前後で同調するブレーキシステムは
早くも姿を消していた。
なお、「コレダ」という名称は
「オートバイはこれだ!」という意味を込めて命名され、
CMのキャッチコピーでも使用されたという。