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【遠藤イヅルの名車カタログ】第48回 ホンダ・NS125R
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- 2018.03.26
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は、ホンダ2ストロークNSシリーズの中から、イタリアで製造され、異色の存在だった「NS125R」のご紹介です。
■ホンダ・NS125R(型式:TC-01) ■エンジン:水冷2サイクル単気筒124cc
■最高出力:22.0ps/10,000rpm ■最大トルク:最大トルク:1.7kg‐m/8,500rpm
NSはホンダの2ストロードスポーツバイクで、
50cc、125cc、250cc、400ccの各クラスが存在した。
最初のNSは1984年の「NS250R/250F」で、
それまでのホンダ250cc2ストバイク、
「MVX250F」を置き換えるモデルだった。
NS250Rではフルカウルを採用するなど、当時隆盛を見せていた
レーサーレプリカ路線を取り入れていた。
そして同年登場のNS400Rは、レーサーNS500の市販版とも言える
本格的なレーサーレプリカだった。
フレディ・スペンサーが乗ったトリコロールカラーの
NS500の活躍が思い出される。
また、50ccのNS、NS50F→NS−1に乗っていた!という方も
きっと多いことだろう。
その中でNS125Rは、ちょっと異色のNSだった。
というのも、このバイクはイタリア製だったからだ。
ホンダ・イタリアが製造していた欧州向けモデルで、
1987年に限定500台が日本で正規輸入販売された。
NS125Rの特徴はそれだけではなかった。
サスペンションはマルゾッキ、フレームはベルリッキ、
ホイールとブレーキはグリメカ、マフラーはソルファー、
シリンダーはジラルドーニ、タンクはフォガッチ、
ラジエターはイプラ、チェーンはレジーナ、
ヘッドライトなどはパガーニ、
キャブレターはデロルト、タイヤはピレリ…などなど、
イタリアのメーカーが手掛けたパーツが贅沢に使用されており、
それでいて価格は37.9万円(当時)に抑えられていた。
赤白緑のトリコローレを纏うボディも125ccとしては大きく、
サイドに書かれた愛称の「Adriatico(アドリアティコ=アドリア海)」、
そしてバイクが「イタリア製」という誇らしさとともに、
NS125Rの所有とライディングを特別な気持ちにさせてくれた。
その後の1989年、NSR125Fも
同じようにイタリアから1000台限定で輸入販売が行なわれている。
なお、輸入されたモデル、NSR125Fはカウルレスだったが、
本国ではフルカウルのNSR125Rも製造されていた。
こちらもNS125R同様に、イタリアンブランドのパーツがふんだんに
用いられていた。