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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第50回 コーギー・マーク2(Corgi Mark II)

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  • 2018.05.06

毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、名前はコーギー犬から?そのルーツは第二次世界大戦の兵器であった「コーギー・マーク2」のご紹介です。その生い立ちはなかなかの珍車です。笑?

■コーギー・マーク2(Corgi Mark II)■エンジン:空冷2ストローク単気筒98cm³


世の中にはいろいろなことを考える人がいるもので、

落下傘部隊がバイクをパラシュートで投下して

地上の移動に使用してはどうか、というアイデアが考案されました。

しかも第二次世界大戦の時、

英国軍がそれを実行し他のですから驚きです。


その名も「ウェルバイク(Welbike)」。

英国軍円柱形の標準型コンテナ「CLEキャニスター」に

折りたたんだ状態で格納するために

極めて低い車体と極端な小径タイヤが特徴でした。


エンジンはビリヤース製98cc2スト単気筒で

燃料タンクの容量はわずか3.7ℓ、

車重はわずか32kgというウェルバイクは

地上でコンテナからバイクを取り出して

ハンドルとサドルを引き起こして走れるようにするという

アイデア溢れた設計だったのですが、

いざ実戦に使用してみると


「コンテナが地面に刺さると抜くのが大変」

「車輪が小さすぎ、最低地上高も低くて悪路で使えない」

「エンジンが非力すぎる」

「追って、悪路が走破できるサイズのバイクを投下できる

グライダーが開発されてしまった」


など問題が数多く、結局ウェルバイクを放棄して歩いた方が早い

なんていう始末に。

投入するまえに気がつきなよ(涙)というのは

欠陥兵器にはよくある話なのですが…(笑)。


でもそのウェルバイクは戦後、民生用に生まれ変わりました。

それが「コーギー」です。

コーギー犬そのもののフォルムをまとったコーギーは

当初戦時中そのものの設計で実用に不向きだったこともあって、

すぐにキックスターターを備えた改良版のマーク2に進化、

1954年まで製造されました。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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