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【遠藤イヅルの名車カタログ】第51回 ビモータ・DB1(Bimota DB1)

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  • 2018.05.13

毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は、オートバイメーカー各社のエンジンを使い、独自のフレームと外装を開発するビモータ社の中から、ビモータDB1のご紹介です。

■ビモータ・DB1 ■エンジン:空冷4ストローク90度V型2気筒748㏄

■最高出力:69ps/8000rpm ■最大トルク:6.2kg・m/6500rpm


1966年に空調機器関連の会社として設立されたビモータ。

社名は3人の創設者であるヴァレリオ・ビアンキ、

ジュゼッペ・モッリ、マッシモ・タンブリーニから取られていた。


しかしタンブリーニはバイクが趣味だったため、

1972年に自らが参戦して大破させてしまった

ホンダ・CB750FOURを空調会社の技術でフレームから再生。

のちにHB1と呼ばれてわずかな台数が量産されたこのモデルが

評判を生み、ビモータはバイク製造を新たな生業として立ち上げた。


優れたビモータ製フレームは様々なメーカーのマシンに用いられ、

その後1980年にヤマハ・TZ350のエンジンを積んだ「YB3」が

世界GP350ccクラスで優勝するなどして

ビモータの知名度は大きく広まった。


タンブリーニが1983年にビモータを去った後は

元ドゥカティのエンジニアだった

フェデリコ・マルティーニを迎え入れ、

日本製高性能エンジンとビモータ製フレームを組み合わせた

魅力的なバイクを続々と開発していった。


DB1は頭文字の「D」が示すように

ドゥカティのエンジンを積んだバイクで、1985年に登場。

ビモータにとって初めてのイタリア製エンジン搭載でもあった。


ドゥカティF1用750ccLツインエンジン(69ps)を

完全なフルカバードボディで包んだDB1は、

斬新なデザインと素晴らしいハンドリング、

そしてそれまでのビモータよりぐっと買いやすくなった

プライスなどで大好評となり、

経営危機にあったビモータを救うことにも成功した。


DB1は後に88psに強化された「DB1S」などを追加していくが、

輸入元の福田モータースオリジナル仕様の

「DB1SR」など独自のバージョンも存在し、

DB1が最も売れた日本との関わりも深い。


ドゥカティエンジンのビモータ「DB系」は

一度日モータが倒産→復活の動きの中でもずっと系譜を継いでおり、

現在はDB8などが生産されている。


5/9のレア車記事で、同じく「ビモータ・DB1S」が取り上げられています。

併せてご覧ください! 【今週のレア車】Vol.113 ビモータ DB1S

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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