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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第52回 幸福(Xingfu)250A
- おすすめコラム
- 2018.06.09
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、中国製バイク「幸福(Xingfu)250A」のご紹介です。
■幸福(Xingfu)250A ■エンジン:空冷2ストローク単気筒248.5cm³
■最高出力:8.8kw/4700rpm ■最大トルク:19.6N・m/3500rpm
今や世界に肩を並べる経済大国となった中国。
街の景色のみならずそこを走り回るクルマやバイクは
海外メーカーの助力で開発されたものや独自で生み出されたもの、
そしてコピーを含めてすっかり「現代的」になりました。
ですが1990年代頃までは
1950〜1960年代に基礎設計が行われたままで
わずかな改良を施して延々と製造されていたものが多かったのです。
東側製品特有の特徴と言えました。
かつて中国が「東側陣営」の代表だったことの現れでもあります。
今回紹介するその名も「中国250A」もそんな一台。
ちなみに英語表記で幸福は「Xingfu」、読みは「シンフー」で、
幸福250Aの名称は正しくは「XF250A」とのこと。
見るからに設計が古いことがわかる幸福250Aは
「上海ー易初摩托車有限公司(旧上海摩托車製造廠)」という
メーカーが1960年から1995年くらいまで製造していました。
もともとは旧チェコスロバキアのバイク
「JAWA(ヤワ)353」のコピー(合法)で、
そのヤワ353自体が1954年登場ですので、
幸福250Aがいかに古いバイクだったかがわかります。
通常不便な箇所やパーツが進歩した場合は
改良が行われていくものですが
幸福250Aはそれがほとんどなく、
エンジン始動前にはキャブレターのティクラーを押す、
2ストで給油時には燃料にオイルを継ぎ足すなど
古典バイクの作法を最後まで要求しました。
その「変わらなさ」も「東側製品」の魅力とも言えなくもありません。