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【遠藤イヅルの名車カタログ】第55回 ベスパ・P125X(1978)

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  • 2018.07.14

毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は、スクーター歴史の中で王道ベスパの中から、「ベスパ・P125X」のご紹介です。イタリアの風景に欠かせないバイクですが、日本では探偵物語で松田優作さんが乗っていたのが思い出されます。エンジンは1ランク上のP150Xでした。

■ベスパ・P125X(1978) ■エンジン:空冷2ストローク単気筒123.4㎤

■最大出力:7.5ps/5750rpm ■ミッション:4speed


言わずと知れたスクーターメーカーの名門、

イタリアのベスパ。


日本やドイツ同様に第二次世界大戦で敗戦国となったイタリアでも

航空機メーカーは民間産業への返還を余儀なくされ、

ピアッジオもスクーターの生産を戦後すぐに着手。

価格が安く整備性や実用性に富んだ簡便な乗り物として

戦後の疲弊したイタリア経済の復興を大いに支えた。


ベスパは現在もなお世界有数のスクーターメーカーとして

人気があるのはご存知の通り。


ベスパといえばスチール製のモノコックボディに

片持ち式のフロントサス、

エンジンと駆動部が一体となっているスイングユニットなど

幾つかの設計的特徴を持つが、

これらは1946年登場の最初のベスパからすでに採用されていた。


今回取り上げたP125Xは、1978年に登場した

P系」「Pシリーズ」などとも呼ばれる新しいシリーズの1モデル。

同時にP150X、P200Eもリリースされている。


1960年代に確立されたベスパのスタイリングを一新。

基本フォルムは継承しつつも

時代に合わせて灯火類を拡大するなど安全対策を充実。

電装も6ボルトから12ボルトに変更された。

造形もエッジが立った近代的なデザインに変身している。


P系のベスパはテレビドラマ「探偵物語」で主人公が

白いP150Xに乗っていたことを

思い出す人も多いだろう。


その後ベスパはまったく新世代モデルとして

1996年にET系、そして2005年にはLX系やGT系などを発売したが、

1980年代にPXに進化したP系のモデルは

その後も一時期以外は併売が続いていた。

しかし残念ながら2017年で生産が終了。

40年近い歴史に幕を下ろしている。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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