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【遠藤イヅルの名車カタログ】第59回 トライアンフ・ボンネビルT120
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- 2018.09.16
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週はイギリスの名車「トライアンフ・ボンネビルT120」1959年のご紹介です。現在も進化と遂げたボンネビルT120がモダンクラッシックとして発売されるロングセラーモデルです。
■トライアンフ・ボンネビルT120(1959年) ■エンジン:空冷4ストロークOHV2気筒649㎤
■最大出力:46PS/6,500rpm ■車両重量:183㎏
英国の名門バイクメーカー、トライアンフ。
1902年のバイク製造後まもない時期にはすでに
バイクレースで勝利を重ねることで名声を築き上げていった。
1938年に登場した500ccバーチカルツイン搭載の「タイガー」、
トライアンフの名を世界に広めた
200ccクラスの「タイガーカブ」や
650ccエンジンを積んだ「サンダーバード」など
トライアンフは数多くの名車を輩出している。
今回取り上げる「ボンネビル」を含め
その多くは1950年代の登場である。
当時まだまだ未熟だった日本車は
トライアンフに追いつけ追い越せと技術の研鑽を進めていた。
実際、ヤマハ・XS1などはまさに
ボンネビルを目標として開発されている。
ボンネビルの車名は
1956年にトライアンフが最高時速343km/hの
世界記録を叩き出した「ボンネビル・ソルトレイク」に由来する。
1958年にまず「ボンネビル T120」が登場したが
120の数字は「120マイル=時速約192km/h」を謳ったものだった。
エンジンはタイガーT110と同様の
649ccのバーチカルツイン。
ツインキャブによって34psの最高出力を得ていた。
その名称の通りアメリカ市場をターゲットにしたボンネビルは
その後も改良を続けたことで大成功を収めることとなったが
1983年に一度その生産を中止することになってしまう。
2年後の1985年に復活を遂げるも
数年でまた生産が終わってしまったボンネビルの再復活は
新生トライアンフが2001年にボンネビルの名と
空冷バーチカルツインを再興するまで待たねばならなかった。
イラストは1959年型のボンネビルT120で、
フロントフォークと一体化したヘッドライトケースなどに
1950年代バイクの特徴を色濃く残していた。