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【遠藤イヅルの名車カタログ】 第60回 カワサキ・KH250(1976年)

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  • 2018.09.30

毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は「カワサキ・KH250」のご紹介です。空冷2ストローク3気筒というフィーリングとは一体どんなものだったのか、乗ってみたい名車バイクの一台です。

■カワサキ・KH250 ■エンジン:空冷2ストローク並列3気筒249㎤

■最大出力:28ps(21.0 kw)/7500rpm

■最大トルク:2.7kg・m(26.5N・m)/7000rpm


カワサキの2スト3気筒バイク「マッハ」シリーズには

250、350、400、500、750の各排気量のモデルが存在し

いずれも強烈な加速と高い最高速度を持ち

1970年代前半のカワサキに「マッハ伝説」を作り上げた。


マッハシリーズで一番小さな末っ子

「250SSマッハI」は1972年に登場。

350SSマッハIIの350ccエンジンをボアダウンした

高回転型の250ccエンジンは32ps/8000rpmを発生。

リッター換算128psとなるこの数値はクラス最強を誇った。


250SSマッハIは1974年に28psにパワーダウンされたほかは、

タンクのカラーリングなどを変更するにとどめていたが

1976年になって「KH250」に名称を変更、

その後すぐにようやくフロントブレーキをディスク化した。

この時車体の大部分を兄貴分の400ccと共用化されている。


KHになったのは250SSだけでなく、

マッハシリーズ全てが対象で、「ケッチ」の愛称で親しまれた。


しかしマッハシリーズは登場後わずか数年で

強烈な性能特性をマイルド方向にシフトしており、

KH250も中低速での加速重視のセッティングになり

車重も増えたことでかつてのような

キレッキレなバイクではなくなっていた。


それでも現代の基準で考えると

KH250の暴力的とも言える加速はやはり大いに魅力的だ。


KH250とKH400は最終的にはライムグリーン塗装をまとって

1982年頃まで販売されたが、

これがマッハシリーズの終焉となった。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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