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【遠藤イヅルの名車カタログ】 第61回 ヤマハ・TZR250(1KT)
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- 2018.10.14
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は、ヤマハ2ストレプリカの中から、初代TZR250(1KT)のご紹介です。
■ヤマハ・TZR250(1KT) ■エンジン:水冷2サイクル並列2気筒249cc
■最大出力:45ps/9500rpm ■最大トルク:3.5kg-m/9000rpm
■車両重量:126kg(乾)
ヤマハの2ストクォーターとして
1980年に衝撃的なデビューを果たしたRZ250は
ネイキッドスタイルのロードスポーツだった。
一方、同じく2スト・250ccのTZR250は
その5年後に産声をあげた。
ヤマハの市販レーシングバイク「TZ」の
ネーミングを冠していることからも分かる通り
レーシングムードたっぷりのレーサーレプリカだった。
当時隆盛を見せていたスズキ・RG250ガンマ、カワサキKR250、
ホンダNS250Rといったレーサーレプリカへの対抗馬として
ヤマハもRZ250にカウルを与えたRZ250RRを登場させたが、
ライバルたちのレーシーな雰囲気には及ばなかった。
そこで送り出されたTZR250は
アルミ製のデルタボックスフレームによって大幅な軽量化を実現、
2ストパラレルツインエンジンは
TZ譲りのクランクケースリードバルブで
最高出力は自主規制値の45psだが、
126kgという軽さがもたらす素晴らしい加速力と
17インチ径のフロントホイール、
前後重量配分50:50によるハンドリングは
ライバル車たちに対する大きなアドバンテージを与えていた。
フルカウルに施された
ヤマハの“ストロボグラフィック”が印象的だが
マルボロ、ラッキーストライクなど
スポンサーのカラーリングも存在し、
レーサーレプリカらしさを高めていたことも記憶に残る。
「1KT」と呼ばれる初代モデルは1988年に後期型(2XT)に進化。
翌1989年にはさらに性能を高めレーサーレプリカとして
磨きをかけた2代目(3MA)が登場。
1999年に販売が終了したが
本家TZは2008年頃まで市販が続き、
2003年にはヨーロッパ選手権GP250クラスで8戦全勝、
国内でも2006、2007年の全日本ロードレース選手権GP250クラスで
優勝するなど長きにわたって活躍したことは記憶に留めておきたい。