他カテゴリ記事を絞り込んで探す
【遠藤イヅルの珍車カタログ】第66回 ヤマハ・モペットMF1(1960)
- おすすめコラム
- 2019.01.09
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の珍車は、ヤマハ初のモペットでその後メイトへの流れを汲んだ「ヤマハ・モペットMF1」のご紹介です。
■ヤマハ・モペットMF1 ■エンジン:空冷2ストローク単気筒50cm³
■最大出力:3.5ps/8,000rpm ■最大トルク:0.3㎏-m/4,500rpm
このコーナーの第18回で、ヤマハの意欲的な大型スクーター
「SC1」を取り上げました。
SC1は1960年の登場。当時はまだ4輪車は高嶺の花で、
庶民の移動手段や輸送手段の主役はオート3輪や
大型スクーターが担っていました。
SC1はセルスターター、トルクコンバーター、
シャフトドライブ、片持ちサスなどの斬新な機構を与えました。
独創的なバイクでした。
一方、50cc以下の簡便なバイクも、
1950年代後半から「スズキモペットSM」、
「ホンダ・スーパーカブ」などが相次いで発売され、
バイク市場で大きな勢力を作り始めていました。
ヤマハもそれに乗じねば、と1960年に発売したのが「MF1」でした。
ヤマハ発の50ccバイクとなったMF1は
これまたSC1に負けぬ意欲作で、モノコックボディ、
乗り心地に留意したナイトハルト式フロントサスなど
斬新なスタイルと設計を誇っていました。
しかしSC1が時流に乗り切れなかったように、
整備性に難があり信頼性にも欠けていたMF1の販売も苦戦。
フレームを一般的なアンダーボーンに改めたMF2に進化したのち
1965年にはヤマハのビジネスバイクの代名詞
「メイト」へと発展することとなりました。