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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第68回 スズキ・ジェンマ50(1981)
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- 2019.02.05
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の珍車は、イタリアのベスパをモチーフに1981年に発売された「スズキ・ジェンマ50」のご紹介です。車名となっている”ジェンマ”はジュリアーノ・ジェンマからでした。
■スズキ・ジェンマ50 ■エンジン:空冷2ストローク単気筒49cm³
■最大出力:3.5ps/5,500rpm
1970年代終わりから80年代初頭は、
50ccバイクにとって大きな変革期でした。
それまでのミニバイクやファミリーバイクも
タンクを廃して極力車体を低くして乗降性を高めてはいたものの、
「またがる」スタイルからは完全に脱却していませんでした。
しかし1977年、ヤマハは足元をフラットにしたスクーター
「パッソル」を発売、50ccファミリーバイク部門のシェアを伸ばした。
それに対抗するようにホンダは1980年に「タクト」を発売、
瞬く間に販売台数を伸ばしました。
このようにスクーターが一挙に市場で認知されていった中、
4大メーカーの一つスズキは指をくわえて見ていたわけではなく、
1981年に「ジェンマ」を発表しました。
50、80、125ccの3種類からなるジェンマシリーズは、
イタリアのベスパのようなデザインと大型の車体を採用し、
上質で高級感あふれる雰囲気を持っていたことから大ヒット。
タクト、ヤマハの「ジェンマ」とともに御三家を形成、
現代に続くスクーター市場の黎明期を支えました。
ジェンマ50はフロントを片持ちとしていたり、
トランスミッションは無段変速ではなく
3速オートマチックを備えていたことが特徴でした。
先日、業者間オークションに出品されたジェンマ50(CS50)
年式の割には赤色が鮮やかで、レストアベースに最適な1台でした。
フロントサスは片持ちで、確かに和製ベスパって感じですね。(編集部)