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【遠藤イヅルの名車カタログ】 第69回 ホンダ・ドリームC70(1957)
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- 2019.02.10
毎週イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。今週の名車は、ホンダ初の2気筒モデルとなったホンダ・ドリームC70のご紹介です。その角張ったデザインから「神社仏閣」構造のバイクと言われていたそうです。確かに奥ゆかしいデザインに見えますが、どの辺が神社仏閣?と言われると困ります。
■ホンダ・ドリームC70 ■エンジン:空冷4サイクル2気筒OHC247㎠
■最大出力:18ps/7400rpm ■最大トルク:1.8kg-m/6000rpm
ホンダは1946年に本田宗一郎氏が設立、
翌年、初の自社開発製品となる自転車用補助エンジンを発売。
1949年には早くも本格的なオートバイ、「ドリームD型」を生み出した。
その後ドリームシリーズは1957年までにE型、S型、M型へと発展。
D型では98ccの2スト単気筒、最高出力3psだったエンジンも
M型の最終モデル(MF)では4ストOHC344ccとなり
最高出力も20psまで向上している。
そして1957年、M型の後継として
ホンダ初の2気筒OHCエンジンを搭載した「C70」が登場した。
C70のエンジンは247cc、つまり250ccバイクでありながら
当時としては驚異的な18psを発生、
トランスミッションも4速になって最高時速は130km/hに達した。
外観も大きく変更され、
S型、M型の欧州のバイクに近いスタイルから
矩形のヘッドライト、角ばったフェンダーなどによって
全体的に四角い「神社仏閣スタイル」と呼ばれるデザインをまとった。
このデザインは、欧米的なスタイルとは違う独自性を求めていた
本田宗一郎氏が「日本らしさ」を問うために
京都や奈良などを散策して見出したもの。
中でもこのC70のタンクに入っているヘコミのラインは、
まさに仏像の眉から鼻にかけての曲線がモチーフなのだという。
フレームはダブルクレードルからプレスバックボーンフレーム、
フロントサスはテレスコピックからボトムリンク式に変更しており、
その結果フレーム、フロントフォークも四角いデザインを実現した。
神社仏閣スタイルは、しばしの間
ホンダのバイクを象徴するデザインとして
C71、C72、CB92などに継承されたが、
1960年に登場した「ドリームスーパースポーツCB72」では
プレスバックボーンフレームもボトムリンク式サスも廃止され、
外観も再び一般的なデザインに戻っている。