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【遠藤イヅルの名車カタログ】第85回 カワサキ・ZXR250
- おすすめコラム
- 2019.10.13
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、カワサキ初の250cc4気筒DOHCエンジンを搭載したフルカウルスポーツ「カワサキ・ZXR250」のご紹介です。
■ホンダ・CB92 ■エンジン:水冷4ストローク4気筒249cc
■最大出力: 40PS / 15,500rpm ■最大トルク:2.3kgm / 11,000rpm
カワサキというメーカーは流行に乗らず独自のポリシーを貫き、
逆に時折新しいムーブメントを起こしたりする。
1980年代末のレーサーレプリカ勃興期にさえ、
当初カワサキはそのジャンルには手を出さないでいた。
しかしレーサーレプリカブームには抗えず、
1988年に水冷2スト2気筒の「KR−1」と
水冷4スト4気筒の「ZX-4」を発売。
KR−1はポテンシャル的には優れたバイクで、
スズキRG250ガンマに対抗したものの販売は奮わなかった。
そこでカワサキは250ccクラスに同社初の4気筒エンジンを載せた
レーサーレプリカ「ZXR250」を1989年に送り出した。
2 スト2気筒を諦め、ライバルと真っ向勝負を挑むバイクを出すこともあり、
カワサキというメーカーは手を抜かなかった。
e-BOX FRAMEに包まれたクオーターマルチエンジンの
最高出力は自主規制値上限の45psだが、
オーバーレブリミット19000回転以上の超高回転型。
高回転域では素晴らしいパワーを堪能できた。
エンジンの冷却にK-RAS(ラムエアシステム)と
K-CAS(クールエアシステム)の導入、
市販ロードモデル初のフロント倒立フォークなどで
高い戦闘力を秘めたバイクだった。
そのため、ZXR250にはキャブレターを大径のケイヒンCVKに替え、
クロスミッションを搭載したレース用ベースマシン
「ZXR250R」もラインナップ。
保安部品を外しただけでレースに参戦できるが
サスペンションもハードで、ギア比も低速では乗りにくかったため、
街乗りには不便というストイックなモデルだった。
なおZXR250が発売された1989年には、
カワサキのレーサーレプリカは400cc、750ccにも用意され、
それぞれ「ZXR400」「ZXR750」として販売を開始している。
外観はいずれも丸目2灯のヘッドライト、
大胆に斜めに入ったライムグリーンと紺のボディカラーを持ち
共通のイメージが与えられていた。