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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第89回 ホンダ・ロードパル
- おすすめコラム
- 2019.12.22
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、女性ユーザーをターゲットに開発された「ホンダ・ロードパル」のご紹介です。
■ホンダ・ロードパル ■エンジン:空冷2ストローク単気筒49cc
■最大出力:2.2ps/5,500rpm ■最大トルク:0.37kg-m/3,500rpm
今では、スクーターをはじめとして、
女性でも簡単に乗れるバイクは当たり前の存在です。
しかし、1970年代前半では、女性が乗ることを考えた
ファミリーバイク「ホンダ・シャリイ(1972年)」でさえも、
カブのエンジンを用いていたために
ギアチェンジを必要としていました。
シャリイは、想定通りに女性ユーザーをしっかり確保していましたが、
ホンダはさらに親しみやすいバイクの開発を開始。
1976年に「ロードパル」を発売しました。
ロードパルは、シャリイと異なりカブベースの技術を遮断して
新しいコンセプトを導入。
自転車のような手軽さ、ギアチェンジもいらないイージーさ、
44kgという軽さ、バイクとしては驚異的な低価格で
大ヒット作になりました。
「ラッタッタ」という愛称も懐かしいですよね。
注目は、女性からバイクが敬遠された理由のひとつだった
キックスタートをセルモーターなしで実現したこと。
始動用のペダルをいっぱいに踏み込むと
ゼンマイが巻かれ、それが戻る力でエンジンを始動するという
画期的な方法を採用したのでした。
その後ロードパルは始動方法をより簡単にした「ロードパルL」、
“奥様向け”の「パルフレイ」、
ファッショナブルに仕立てた「パルディン」「パルホリデー」、
タイヤを小径化してさらに乗りやすくなった「ハミング」など
膨大なバリエーションに発展していきました。