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【遠藤イヅルの名車カタログ】第88回 ヤマハ・XTZ750 スーパーテネレ
- おすすめコラム
- 2019.12.01
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、アドベンチャーとして有名なスーパーテネレの始祖「ヤマハ・XTZ750 スーパーテネレ」のご紹介です。
■ヤマハ・XTZ750 スーパーテネレ ■エンジン:4ストローク2気筒749cc
■最高出力: 70PS / 7,500rpm ■最大トルク:6.8kgm / 6,7500rpm
1979年に開始されたパリ・ダカール・ラリー。
2〜3週間に渡り砂漠を駆け抜けるという過酷なラリーレイドで、
2009年以降は舞台を南米に移して開催中だ。
このラリーの特徴として、4輪のラリーマシン以外に
カミオン(トラック)部門やモト(二輪)部門の存在があげられる。
バイクは排気量450cc以上でシリンダー数は2気筒まで、
というレギュレーションがあり、
第1回の優勝の栄誉は、「ヤマハ・XT500」のラリー仕様が授かっている。
XT500は大排気量オフローダーの先駆けともいえるバイクで、
第2回では表彰台を独占した。
その後XT500は1983年に「XT600テネレ」となったが、
パリダカでは単気筒バイクでの勝利は厳しい時代に突入しており、
BMW は水平対向2気筒を搭載した「R80GS」、
ホンダは「アフリカツイン750」の元になった
直列2気筒の「NXR750」で勝利を重ねていた。
遅れて2気筒モデルを投入したヤマハは
1991年のYZE750Tで久しぶりに優勝を果たしたが、
この元になったのが「XTZ750スーパーテネレ」だった。
“スーパーテネレ”の名を冠したバイクは1993年まで3連覇、
1995年からはスーパーテネレの愛称は外れたものの
YZE850R/TRXがさらに4連覇の偉業を成し遂げている。
前述の通りアフリカツイン750は
NXR750のレプリカともいえるバイクだが、
スーパーテネレは市販バイクのイメージを
競技用に反映させたという逆パターンだった。
大柄な車体に水冷直2・DOHC5バルブ750ccエンジンを持つスーパーテネレはハイスピードでの巡行や悪路もなんなくこなす
オールラウンダー・クルーザーとしての能力に優れており、
特に欧州で高い人気を誇った。
後継モデルは欧州市場で発売されている
2010年登場の「XT1200Zスーパーテネレ」。
このほか近年「テネレ700」も登場し、
「ヤマハの大排気量アドベンチャーツアラー」の伝統は
今なおしっかり受け継がれている。