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【遠藤イヅルの珍車カタログ】第91回 ヤマハ・ボクスン
- おすすめコラム
- 2020.01.26
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、メットインを初めて実装したバイク「ヤマハ・ボクスン」のご紹介です。
■ヤマハ・ボクスン ■エンジン:空冷2ストローク単気筒
■最大出力:5.8ps/7,000rpm ■最大トルク:0.61kg-m/6,000rpm
実はエポックメイキングなバイクなのに、
完全に忘れ去られているバイク・・・。
それが、1985年に登場した「ヤマハ・ボクスン」です。
まさに、このコーナーにぴったりな感じですよね。
何しろ、現在ではスクーターの標準装備といえる
「メットイン」を初めて実装したバイクなのですから。
ちょっとやそっとのエポックじゃないです。
・・・えっ。
って言われて、どんなバイクか思い出せる人は多くないかも。
ウリは、Mサイズならフルフェイスヘルメットでさえも収納できる、
とされたシート下のスペース。
なぜヘルメットをしまうという発想に至ったのかというと、
1986年から原付一種のヘルメット装着義務が決まっていたためでした。
今思うとノーヘルが義務じゃなかった(驚)、
ということの是非はさて置き、
ヘルメットを収納できるボクスンは、画期的なバイクでした。
しかし、ボクスンは見るからに「ヘルメットをしまう空間」が
外観からいかにもわかるようなスタイルだったため、売れ行きは苦戦。
5.8psの強力なエンジンも、当時人気が高かったタレントの
ウガンダ・トラ氏の起用も効果なく、
せっかくのメットインというアイデアは市場に拡がりませんでした。
その後、メットインは1987年から発売された「タクト フルマーク」が採用。
収納スペースを感じさせないデザインで登場したタクトによって、
その便利さもようやく市民権を獲得していったのでした。