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【遠藤イヅルの名車カタログ】第92回 ロイヤルエンフィールド・ブリット500EFI

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  • 2020.02.01

毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、1950年代から受け継がれる英国車伝統のスタイルを残した「ロイヤルエンフィールド・ブリット500EFI」のご紹介です。

■ロイヤルエンフィールド・ブリット500EFI ■エンジン:‎4ストロークOHV

■最高出力:20.3kw/5250rpm ■最大トルク:41.3Nm/4,000rpm


英国のバイクメーカーの多くは創業が古く、長い歴史を持っていた。

だが1960年代以降、性能や品質・価格で優っていた日本製バイクに押され、

多くのメーカーが姿を消してしまったのはご存知の通り。

現在も名前が残っている名門ブランド、トライアンフやノートンも

経営危機や倒産を経験し、幾度も経営母体が変わるなど、

流転の社史を刻んできた。


2020年現在、名前が残存する英国バイクメーカーとしては最古の

ロイヤルエンフィールドもそのひとつで、

前身となった会社の設立は1850年代とたいへん古い。

1892年には自転車を、1901年からはバイクの製造を開始し、

英国バイク業界のパイオニアとして発展を続けたが、

日本車の進出による英国バイク斜陽化に合わせ、1970年に倒産してしまった。


いっぽう、ロイヤルエンフィールドが1955年にインドに設けていた

エンフィールド・インディアでは、本国の倒産後もバイクの生産を継続。

1995年になって社名をロイヤルエンフィールドと改名し、

伝統あるメーカー名を今に伝えている。


ロイヤルエンフィールドといえば、

生産するバイクがレトロなことで知られる。

レトロといっても、レトロ調ではなく、ほんとうに原設計が古かった。

1955年以降、大きなモデルチェンジがされていなかったのだ。


しかし、現行型では、時代に合わせたアップデートが細かく行われており、

フレームも変更、フロントブレーキをディスク化したほか、

モデルによってはABSも搭載。

OHVシングルエンジンをなんと新規設計しているだけでなく、

燃料供給に電子制御インジェクションを採用する。

また、以前のブリットは、いにしえの英国流バイクの流れを残した

「右チェンジ・左ブレーキ(さらに、シフトチェンジも1速が上!)」

だったが、現在では他のバイクと同じ、一般的なレイアウトに代わっている。


ロイヤルエンフィールド・ブリット500は、

1950年代英国バイクの雰囲気や乗り味を残しつつ、

現代の製品としての性能や快適性、実用性を満たしているバイクといえよう。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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