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【遠藤イヅルの名車カタログ】第95回 カワサキ・KR750
- おすすめコラム
- 2020.03.15
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、数々のレースで活躍したレーシングバイク「カワサキ・KR750」のご紹介です。

■カワサキ・KR750 ■エンジン:2ストローク直列3気筒
■最高出力:120ps/9,500rpm
1971年に発売された、
「750SS」をベースとしたカワサキの市販レーサー「H2R」は、
1973年シーズンには好戦績を残し、
アメリカのAMAロードレース選手権では年間チャンピオンを獲得。
「グリーン・モンスター」とも呼ばれて讃えられた。
しかし空冷大排気量エンジンによる高性能と引き換えに
避けては通れない「熱対策」の問題が避けられず、
1974年には水冷の「TZ750」に1勝もできずに終えることになった。
そこでカワサキも水冷エンジンを搭載したマシンの開発を行い、
「KR750」を1975年に送り出した。
ピストンバルブの並列3気筒エンジンはH2Rと同じだが、
水冷化ならびにシリンダーをアルミ製とし、
ボア・ストロークは68×68mmのスクエア、
トランスミッションを6速にするなどを行い、
最高出力120ps以上を発生した。
水冷化によって得られたパフォーマンスによって
1975年のマン島TTレースではレコードを更新、
イギリスのスーパーバイク選手権やAMAでも
数々の勝利をカワサキにもたらした。
KR750による参戦は1976年で終わってしまったが、
高性能なグリーン・モンスターを
多くのファンに強く印象付けるマシンとなった。