他カテゴリ記事を絞り込んで探す
【遠藤イヅルの珍車カタログ】第98回 ・ ヤマハ・ジョグ(初代)
- おすすめコラム
- 2020.05.03
毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の珍車は、50ccスクーターに「速いスクーター」という新たな風を吹き込んだ「ヤマハ・ジョグ(初代)」のご紹介です。
■ヤマハ・ジョグ(初代) ■エンジン:水冷4ストローク・単気筒SOHC3バルブ
■最大出力:4.5ps/8000rpm ■最大トルク : 0.43kg・m/6500rpm
このコーナーは「珍車」と銘打っていますが
登場するバイクの中には、1980年代を彩った有名な原付バイクを含みます。
今回お送りする「ヤマハ・ジョグ(初代)」も、そんな一台です。
幾多の原付が現れ、そして消えていった中、ジョグという名前は
現在でも新車購入できるバイクに残っています。
その初代モデル(CE50)は1983年に登場。
ホンダとヤマハが熾烈なシェア争いを繰り広げていた、
その最末期のことでした。
ジョグは買い物用やアシというイメージだった50ccスクーターに
「速いスクーター」という、新たな風を吹き込みました。
ジョグは乾燥重量49kgに最後出力4.5psのエンジンを組み合わせたことで
軽快な運動性能を得ていたのです。
アクセルの開き方によっては、簡単にウイリーしちゃうほどでした。
ジョグが新しかったのは、まだあります。
それは、フロントフェンダーがカウルと一体化したこと。
今では珍しくありませんが、当時は衝撃的なデザインだったのです。
そのスタイルから「ペリカンジョグ」とも呼ばれました。
10万円を切った価格も後押しして、大ヒット作となり、
「HY戦争」で疲弊したヤマハを救いました。
ジョグは1987年に2代目へバトンタッチ。
ジョグを追撃すべくデビューした「ホンダ・DJ-1」に対抗すべく、
エンジンは6psまでパワーアップされていました。
その後もジョグはモデルチェンジを繰り返し、現在に至ります。
しかも現行型ジョグは、この市場でかつて激しく戦っていたホンダと、
まさかの協業することで誕生。
ジョグは、いろいろな時代を反映してきたバイクでもあるのですね。