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【遠藤イヅルの名車カタログ】第97回 カワサキ250・メグロSG

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  • 2020.04.12

毎週お届けするイラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、カワサキに吸収合併された目黒製作所最後のモデル「カワサキ250・メグロSG」のご紹介です。

■カワサキ250・メグロSG ■エンジン:空冷単気筒4ストローク

■最大出力:17.5ps/7,000rpm ■最大トルク : 1.9kg-m/6,000rpm


日本の4大バイクメーカーの一角、カワサキ。

そのルーツは、2つに分かれている。

ひとつは、戦後に

川崎航空機工業(現:川崎重工業航空宇宙システムカンパニー)が

起こしたバイクブランド「メイハツ」、

そしてもうひとつがメグロだ。


メイハツは125cc以下のバイクを得意としていたが、

大型市場で売るための大型バイクのノウハウと

販売網を持っていなかった。

そこで1960年、戦前から続くバイクメーカー目黒製作所と業務提携。

メイハツは「カワサキ自動車販売」となった。


さらに1963年になってカワサキはメグロを傘下に入れ

「カワサキメグロ製作所」に改名するも業績は振るわず、

翌1964年には倒産してしまった。

そのため川崎航空機は救いの手を差し伸べ、カワサキメグロを吸収、

メグロという企業はここで完全に消滅することとなった。


戦後に発売して大ヒットとなった、

日本初の250ccバイク「ジュニア」シリーズは

カワサキメグロとなったあとも開発・販売が行われ

メーカーとしてのメグロが消えてから2年経った1966年まで

メグロの名を冠したバイクが残っていた。

それが「カワサキ250・メグロSG」で、

1966年以降も「カワサキ250SG」として生産を継続した。


名門・メグロの最後を飾るバイクだけあり、

18psを発生した4スト250cc単気筒OHVエンジンは

高い信頼性・耐久性と粘り強さを兼ね備え、

かつ、来たる高速道路時代にも通用する性能を有した。


のちに発売されることになる「エストレヤ」は、

メグロを参考にしていると思わせるレトロデザインで人気を呼んだ。

カワサキの大型バイク部門の基礎を作った

メグロというメーカーのことを、いつまでも記憶にとどめておきたい。

制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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