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ホンダ プロジェクト BIG-1・30周年記念 & HAWK11 トークショー レポート!

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  • 2023.02.15

2022年11月26日(土)にHonda ウエルカムプラザ青山で行われた「プロジェクト BIG-1・30周年記念デザイナートークショー」と「HAWK11 スペシャルトークショー」のレポートです!

2022年11月26日(土)にHonda ウエルカムプラザ青山において、2つのトークショーが行われました。

 

「プロジェクト BIG-1・30周年記念デザイナートークショー」

「HAWK11 スペシャルトークショー」

 

当日の特別展示の様子と、トークショーをレポートします!

 

  • プロジェクト BIG-1・30周年記念デザイナートークショー

プロジェクト BIG-1・30周年記念展示を設置。

2022年に30周年を迎えた「プロジェクト・BIG-1」の歴代モデルと最新モデル。

 

ホンダ CB1300 SUPER FOUR SP 30th Anniversary

2022年10月21日(金)~2023年1月9日(月・祝)までの受注期間限定で発売。

 

「プロジェクト・BIG-1」の初代モデル「CB1000 SUPER FOUR」の発売30周年記念モデル。

・燃料タンク上面に、30周年記念ロゴを配置。

・「BIG-1」のアイデンティティーである「ホワイト×レッド」の特別カラー。

・メインフレームに高級感のある「メタリックレッド」を採用。

 

ホンダ CB1300 SUPER BOL D'OL SP 30th Anniversary

上記と同様の受注期間と特別仕様を備えたモデル。

 

「変わらないこと。変わり続けること。」

「本当に自分たちが乗りたいモーターサイクルをつくろう。」

 

その理想を実現するために生まれた「プロジェクト BIG-1」コンセプト。

モーターサイクルの普遍的な魅力とは何か。

王道のネイキッドスポーツが持つべき資質とは何か。

を追い求めてきた「答え」を具現化。

 

ホンダ CB1000 SUPER FOUR (1992)

「プロジェクト・BIG-1」コンセプトの初代モデル。

「新しい時代にふさわしいHondaのロードスポーツはどうあるべきか」を徹底追及。

 

・水冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒エンジンを搭載していること。

・その体躯はあくまでセクシー&ワイルドであること。

・走る者の心を魅了する感動性能を有すること。

を基本コンセプトとしています。

 

ホンダ CB1300 SUPER FOUR (1998)

クラス最大の水冷・直列4気筒・1300ccエンジン搭載。

 

この日はアンケートに答えると、特別ファイルをプレゼント!

 

館内ショップで、1/24スケールのCB1300 SUPER FOUR (2011)などを販売。

 

「プロジェクト BIG-1・30周年記念デザイナートークショー」登壇者

 

(左から)

岸敏秋氏 ホンダ CB1000 SUPER FOUR (1992) デザイン開発者

丸山浩氏 トークショーMC 二輪ジャーナリスト

伴哲夫氏 ホンダ CB1300 SUPER FOUR (1998) デザイン開発者

 

大勢の熱心なファンが、会場に足を運びました!

 

テーマ 「デザイナーの視点で振り返るプロジェクト BIG-1の30年」

 

元々は、1989年3月発売のネイキッドモデル「ホンダ CB-1」(400cc)の販売不振がありました。

CB-1は、K社のZ(カワサキ ゼファー)に敗北状態で、上部から「チェンジ要請」が出ました。

 

CB-1に、CB1100R(1981)のタンクを載せたスケッチを作成。

当時のスケッチはパソコンを使う現代とは異なり、全てが「手書き」。

バイクの場合は「機能パーツ」が半分以上を占めていて、神経を使う作業だったとのことです。

 

「プロジェクト・BIG-1」は、開発チームのない「ゲリラ的なプロジェクト」としてスタート。

チームがないので「何もかも手造りの状態」で、クレイモデルを製作。

社内では「カタチにしたもの勝ち」という風潮があり、時々「ガス抜き」的な動きがあったそうです。

 

搭載エンジンは、フルカウルスポーツのCBR1000F (1987)の水冷エンジンを採用。

ボリュームのあるタンクやテールカウルのラインは、ポルシェ911をイメージしてモデリング。

 

1991年の東京モーターショーで、CB400 SUPER FOURをお披露目で展示。

CB1000 SUPER FOURは発売予定がないものの「参考出品ならOK」として出展。

大きな反響があり、発売が決定しました。

 

初代 CB1300 SUPER FOUR (1998)は、伴氏がデザイン。

 

開発にあたっては「こんな、くそバカでかいの誰が乗るんだ?」との思いがあったそうです。

扱いやすさを求め、タイヤを18インチ→17インチに変更。

変えなかったところは「K社に負けない男らしさ」(笑)。

 

排気量アップは、ヤマハ ドラッグスターが出るのを聞いたことから「X4」譲りのエンジンを採用。

「2本出しマフラー」になったのと、エンジンが「フィン付き」なのは「開発責任者の好み」。

 

初代1300はスペックアップで重量増になったので、2代目(2003)は「スポーツバイク的」に変更。

 

このモデルのイラストだけ「マフラーがない」左側が描かれています。

その理由を岸氏は「シャープに描きたかったから」と説明。

この1枚でデザインが決定ながら、クレイモデルではリアカウルがコンパクトでバランスに苦労したそう。

 

岸氏は、デザインは「いきおいだけ」で「数値化出来ない作業」とおっしゃっていました。

 

2005年発売のCB1300 スーパーボルドールは、ハーフカウルを装備。

これは、営業サイドから「フルカウルでないこと」との要望があったそうです。

 

2020年の東京モーターサイクルショーで出展を予定していた「CB-F コンセプト」は、伴氏が提案。

「CB-F コンセプトは、出ません。」と明言されたのを聞いて、たいへん残念に思いました。

 

30周年を迎えて岸氏は「自分の想いが重なると、いい商品になる」と言い「ユーザーの視点を大切に。」

伴氏は「自分が欲しいバイクを、会社の経費で作る」と「CBとは、4発でカッコいい存在。」

 

「スポーツバイクの標準として、EVになっても永遠にCBはこれからも続く。」

「次のデザイナーに期待したい」と岸氏。

 

今回は岸氏がほとんどのトークをしたので、伴氏は「もっとしゃべりたかったので、次の機会に!」。

 

  • HAWK11 スペシャルトークショー

「HAWK11 スペシャルトークショー」登壇者

 

(右から)

下川原リサ氏 タレント

吉田晶弘氏 HAWK11 開発責任者代行

山中佐都紀氏 ホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)

 

HAWK11

2022年9月発売の新型ロードスポーツモデル。日本市場向けの大型モーターサイクル。

 

最初は「都内→秩父くらいの距離の、おっさんの日帰りツーリング用」として企画。

吉田氏は「ターゲット設定は、個人的には好きではない」と発言。

 

HAWK11は「アフリカツインのエンジンでオンロードバイクを。」という「提案活動」から誕生。

ロケットカウル装備で、カフェレーサースタイルに。

 

一番のこだわりは「ロケットカウル」で、最大の特徴に。

カウル素材の前提は「FRPで作る」というより「少量生産で作る」という理由で選択。

通常の「樹脂」で造ると金型が6分割になり、表面に「ライン」が入るがFRPではそれがない。

 

カウルは、決定まで2か月弱を要したそうです。

 

ミラー位置は「カウルから出したくない」ので「バーエンド」タイプ検討も幅が増えるのでNGに。

現在の位置は「目の動きだけで見えて、ミラーの景色でテンションアップ。」と吉田氏。

 

デザインでは、タンクとシートの「水平と垂直」ラインを特徴にあげました。

 

色は、ホンダは赤と白というイメージがあるが「設定しなくてよい」ということで、自由に選択。

ブルーは「映り込みがキレイ」で、ブラックは「ブルーとの差別化」で選定。

 

カウルの塗り分けは「デカールではなく、塗装で処理」をしたのが大きなポイントにあげました。

 

下川原氏は「メディア試乗会」後に購入を決意。すでに、ブラックのマシンが納車されています。

 

HAWK11は「憧れで理想の女性ライダーが乗る」イメージ。

「見た目以上にスリム」「自由度の高いライディングポジション。」により、

「ロングツーリングの次の日でも、疲れが残らないバイク」という印象。

 

「丸目ライトの存在感」と「カウルのシールドがビス止め」なのが、お気に入りポイント。

「エンジンのドコドコ感が楽しい」のと「日常で毎日使えるバイク」という感想でした。

 

「初めてライディングモード付を所有」には、吉田氏は「スポーツ」モードを「通常の選択」に、と発言。

「スタンダード」が第一選択だと思っていたと、下川原氏は驚いていました。

 

「見た目以上に乗りやすい」と感じる、下川原氏。

「トップブリッジ下にハンドルながら、ヘッドパイプの位置が高いので見た目ほどではない。」と吉田氏。

 

下川原氏は「リアサスペンションにプリロードアジャスター装備」を、こだわりポイントに。

これは本来オンロードバイクは付かないが「ベースがオフ車なので、そのまま付けてある」とのこと。

 

下川原氏から「リアフェンダーに、荷かけフックが付けてある。」との指摘には、

「おっさんツーリングでもみやげがある、とHMJが言うから付けた。」と吉田氏。

 

下川原氏は「今後は、キャンプツーリングに行きたい。」と締めくくりました。

 

制作・協力

(取材協力)

株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

 

(写真・文)

森井智之

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