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女性ライダーだけのトレーニングCampus 見学!(in スペイン)
- おすすめコラム
- 2022.07.25
【岸田彩美のバイクの楽しさ無限大】vol.139。女性ライダーの底上げを!スペインのエンデューロレースの見学をレポートします♪

こんにちは、岸田彩美です。今回はスペイン滞在中にお邪魔したトレーニングについてです。
スペインモータースポーツ協会のHPを見て、女性ライダーだけのエンデューロトレーニングが行われることを知りました。見学していいか問い合わせましたが連絡が得られなかった為、一か八かで当日直接観に行ってきました。
【目次】
1.オフロードセンターへ向かいます
2.運よく練習見学出来ました!
3.ライダーの親御さんへインタビュー
- オフロードセンターへ向かいます
バルセロナ空港でレンタカーをして、目的地に向かって北上。
途中休憩とお昼ご飯テイクアウトしようとたまたま立ち寄った場所がHostel Cal Petit
お店に入ってみるとトロフィーがずらり…!レストラン兼ホテルになっている建物で使用車両の展示も多数ありました。
夏のツーリングの時期はライダーが多く訪れて宿泊をしていくんだとか。スタッフさんは、昔ライダーとして活躍されていたそうです。特別に地下室のガレージも見せていただき(写真はNGでした)良い出会いがありました。
サンドウィッチ美味しかったですよ~!
青い空と綺麗な景色に感動しながら、狭い山道を潜り抜けて会場となるパスケットオフロードセンターに到着。
運営しているのは、過去にトライアル世界選手権で活躍し、現在は世界選手権のセクションコーディネーターとして大会に帯同するジョルディ・パスケットさんです。
誰も知り合いいない中で飛び込んだのはいいですが、広大な敷地で、どこでトレーニングをしているのかわからなかったので パスケットさんに直談判。
すると…パスケットさんがバイクを用意してくださり、私を後ろに乗せてコース内を探してくれました。残念ながら練習しているところを見つけることはできませんでしたが
私を乗せたままウィリー走行してくれたりと絶対に経験できないことをさせていただきました。
これまた景色が綺麗すぎて、感動ものでした。
- 運よく練習見学出来ました!
タイミングよく、練習を終えてお昼ご飯休憩前の最後の練習の様子を見ることができました。
数グループに分かれて練習しているそうで、各グループにコーチが帯同しているそう。
参加しているライダーに、エンデューロを始めた年齢を聞いたところ
6歳や15歳、23,26歳から初めたと言っていました。
トレーニングを受けるために、約600km離れたマドリードやグラナダなど各地から集まっているそうです。
スペイン出身のトライアルライダーであり、2度のスペインチャンピオンに輝き、トライアル世界選手権女性クラスに出場し、シリーズ2位を獲得。2022年のパリダカールラリーレースや世界一厳しいレース・エルズベルグロデオにも出場したサンドラ・ゴメス選手が講師として参加しており、お話を伺うことができました。
※写真左から三番目
モータースポーツ選手になったのは、バイクが大好きだけどそれよりもレースで戦うのが大好きだからだそうです。3歳でバイクに乗り始めたのは、お父さんがバイクの選手だったのがきっかけだそう。
見学させてもらった“Campus”と呼ばれるトレーニングは、今回はエンデューロですが、トライアル・モトクロス・ロードと年間を通じて各カテゴリーごとに1回ずつ行われているそうです。約8年~10年前にスタートしたこの取り組みですが、女性のモータースポーツ委員会の代表としてサンドラ選手が活動しています。(スペインのモータースポーツ協会の中に含まれているそうです) なぜこのような活動を始めたのか聞いたところ
オートバイを学んだり、ライダーを助けたりする場を作りたいと思ったのがきっかけだそうです。
毎回15~20人くらいの女性ライダーが集まって(時にはメカニックさんも参加するそうです)トレーニングが行われるのですが、ライセンスを持っている人は2日間のトレーニング(食事・宿泊費込み)で30€ ライセンス無しで60€だそうです。協会も資金面でのサポートをしているそうで、モータースポーツへの理解があると感じました。
選手としての活動だけでなく、女性ライダーの底上げをするという積極的な活動に脱帽です。
- ライダーの親御さんへインタビュー
このクラスに参加しているお子さんの親御さんたちにお話を聞くことができました。
11歳のアレイクシアちゃんは、モトクロスから始めたそうです。スペインのモトクロスの大会は、年齢が若いと女性クラスがないそうで、男女一緒に戦うそうです。しかしエンデューロは6歳くらいから大会に参加でき、女性クラスもあるんですって。 さすがモータースポーツ大国。大会に出場できる年齢が若いですよね。
スペインは17の自治州にわかれており、各州で大会が行われているそうです。もちろんスペイン大会(全日本のようなイメージ)もあります。
ちゃんとルールを決めてバイクに乗るのを許可しているそうで、もしよい成績が出なかったらバイクはお預けになってしまうため 学校の授業に加え、週二回の英会話スクールも通っているんだとか。 毎週土日午前中は練習をしているため、ほぼ休みがないけど頑張ってトレーニングに励んでいるそうです
またアレイクシアちゃんは、マルク・マルケス選手とアレックス・マルケス選手のスポンサーであるスペインの保険会社Allianz主催のモーターキャンプに20人の枠に選ばれて(女子は3人)、オフロードトレーニングしたそうです。YouTubeに動画をアップして見事勝ち取ったそうですよ!
マルク・マルケス選手は怪我をしていたのでバイクには乗らなかったそうですが、レクチャーを受けたりしたんだとか。 こういうイベントも面白いですよね。いい取り組みだなあと感じました。
・続いてジュジュちゃんのご両親にもお話を聞きました。
3歳からバイクに乗り始めたそうです。きっかけはご両親がバイクでツーリングをすることが多かったから。
お子さんがエンデューロをやることに対して恐怖を感じることはあるか聞いてみると、常に怖いと言っていました。例えば自転車競技は肌の露出が多いけれどバイクに乗る時はプロテクターをつけるよね?ただスポーツをやる上で常に危険はつきものだよねと。
スペインではモータースポーツの人気が高いのはどうしてだと思うか聞いてみたところ
練習する場所がとても多いし、気候も関係あるんじゃないかなとのこと。
たしかに地中海側は冬でも暖かく、一年間を通じて雨量も多くないのでトレーニングするには最高なのです。冬場には、各国のモータースポーツ選手がトレーニングしに来ていますから。環境の面も大きく影響があると感じました。 ※写真一番左
今回飛び込みで見学させてもらって、勉強になる事も多く、素敵な出会いもたくさんありました。とにかく皆が楽しそうに練習している様子をみて、早く始めたからいいとかそういうことではなくって、自分がやりたいと思った時こそはじめ時なのかなと。和気あいあいと練習している様子が印象的でした。
現役で活躍している選手から教えてもらえたり、サポートの講師も数名ついていました。トレーニングするにあたり、協会のサポートがついていることは、やっぱりスペインってモータースポーツに力入れているよなって感じました。
もし日本で同じようなトレーニングをしたいなら、いつでも連絡してねとサンドラ選手が言ってくださったので
“Campus in Japan”が開催される日もそう遠くないかもしれませんね!
次回は、このパスケットオフロードセンターでトライアルをした様子をお届けしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
岸田彩美
バイクの窓口編集部