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ホンダ 新型 CL250 試乗会! Part2 開発者インタビュー編
- おすすめコラム
- 2023.08.22
「Honda CL250 報道試乗会」のレポート Part2 開発者インタビュー編です!
神奈川県川崎市で行われた「Honda CL250 報道試乗会」に参加しました。
この日は、製品説明、開発者インタビュー、試乗が行われました。
新型 CL250 は、単気筒250ccエンジン搭載のスクランブラースタイル 軽二輪スポーツモデル。
若者世代に寄り添い、気軽に幅広く使えて、楽しみを拡張できるモーターサイクルとして開発。
スタイリングのねらいは「シンプル / タフ / 素材感」「力強い足まわりと軽快なプロポーション」。
シンプルな佇まいに、前後に張り出したタイヤとアップマフラーで力強く活発な性格であることを表現。
今回は、開発者インタビューをレポートします!
- 開発陣が勢ぞろい!
この日は、CLシリーズ開発陣が勢ぞろい。
(右から5人目が、開発責任者代行の小数賀巧氏。開発責任者は人事移動により欠席。)
今回も大勢来ていただいたので、それぞれの方から担当分野のアピールポイントを伺いました!
スタイリングは、ネイキッドバイクとして部品のひとつひとつを「カッコよく」意識してデザイン。
「スクランブラースタイル」は、オン / オフ両方のテイストを持つジャンルとして定義。
(以下、CL250 / 500を「CL」、 レブル250 / 500を「レブル」と表記。)
CLの特徴である、存在感のある「アップタイプマフラー」。
CLを遠目に見た時に、シルバーの「マフラープロテクター」が「レブルではない」ことを主張。
マフラープロテクターは、ステンレスのヘアライン仕上げと複数のパーツで「レイヤー感」を表現。
円形抜きの内側にはエンボス素材をあしらい、ミリタリー調でタフな印象に。
当初はもっとシンプルだったそうなのですが、販売サイドの「鶴の一声」で複雑な構成に(笑)。
マフラープロテクターを外すと、さらに内側にある波目が入ったプレートを見せてくれました。
このパーツで、排気系の共振などで出る「雑味の音」を消して「純な音」を追求。
耳に近い位置にあるアップマフラーの利点を活かして、クリアなパルス感がライダーに届きます。
試乗の際は「低いギアでトコトコ走ると、裏切らない音が楽しめます」。
フューエルタンクも、レブルとの違いを表すアイテム。
レブルの「ラインを強調」した形状から、CLは「なめらかでシンプル」なデザインに。
アイコニックなタンクは、クレイモデル作成の際にミリ単位で何度も形状を検討して決定。
スリムなラウンド形状ながら「がんばって12Lの容量」を確保(レブルは11L)。
これにより、満タンで250は400km、500は320kmほど走行可能に。
タンク下部の溶接ライン(シームライン)は表面の仕上げを工夫して「スッキリきれいな仕上がり」。
(ここはレブルのタンクと比べると、違いが分かります。)
サイドのタンクパッドは「両面テープ止め」なので、取り外すことが可能。
- 注目のカラーリング
「カラーリング」も、CLの大きな特徴のひとつ。
CL250は、ビビッドなオレンジ、アースカラーのグレー、シックでモダンなホワイトの3色。
ホワイトは「偏光パール」を用いてメタリックによるコントラストを表現。
CL500は、CL250と全体の世界観は同一ながら「ユーザー層が異なる」のでカラーで差別化。
グリーンは、クロスカブやX-ADVでの使用例がありますが、今回は初めてスチールで採用。
素材が樹脂とスチールで異なるので、新たな開発が必要だったそうです。
ブルーは「他で使っていますが分かりますか?」と聞かれましたが「??」。
このブルーは「教習車仕様 CB400 スーパーフォア」と同じなんだそうです。
近年に教習所で免許を取得した人には馴染みのあるカラー(?)なんですね(笑)。
欧州仕様のCLには「マットブラック」がラインアップしているそうで、いずれは日本でも?
水平ラインを強調した「新設計シートレール」も注目のポイント。
シートは「キーを使って脱着」が可能(レブルはボルト止め)。
シート下に「ETC本体」の収納が可能になり、利便性が向上。
「見える部分を美しく」ということで、指をさしているのが「溶接ポイント」。
シートの下になるところに溶接がくるようにして、シート装着時には見えないように工夫。
溶接前後のパイプ外径は同一ですが、板厚は前側は2.0mmで後側は3.2mm。
荷重のかからない前側を薄くして軽量化をしています。
サイドカバーは一体成形ながら、前後で「シボ」を変えて深みを表現。
内側の右に工具、左にマニュアルを収納。
車名表示が「CL」のみなのは、排気量による「ヒエラルキー」を排除したかったから。
CL500のみ、タンク下のフレームに「ヒートプロテクター」を装備。
これは500はエンジンの発熱量が多く、フレームに伝わる熱を避けるための専用装備。
両面テープ止めなので、,250でも部品で購入して装着が可能。
素材感を出したテールライトのスチール製ステーは、ナンバープレートホルダーまでを一体に成型。
樹脂製のリアフェンダーは、ホンダとしては異例の「短い形状」。
これを実現出来たのはナンバーを「泥よけ」としたから。
「フェンダーレスキットは、いらない」仕上がりとなりました。
- こだわりの「ヘッドライトの位置」
「ヘッドライトの位置」も、こだわりのポイント。
フロントのタイヤ幅がレブルの130mmから110mmの変更に伴ってフォークスパンが-12mmに。
ヘッドライトは前に出すとクラシカルに、内へ引っ込めるとモダンなイメージになるそうです。
そのためにミリ単位で何度も調整して、この位置に決定しています。
メーターステーは「タフな印象」になるように、レブルと違い「見せるステーのガード形状」に。
スイングアームはマフラー側を内側に追い込んだ「左右非対称アーム形状」を採用。
これにより排気系を車体中心方向に寄せたスリムな配置にして、足つき性向上にも寄与。
CLは、400Xと比べてストロークをアップしたリアサスペンションを装備ながら、シート高はダウン。
一人乗りを前提に、リアをソフトなセッティングに味付け。
リアサスペンションの取付は、右が9.5mm内側にオフセット。
非常に分かりずらいですが、左右の取付位置を見比べてみて下さい。
リアブレーキレバー内側には、足の収まりを考慮した形状のプレートを装備してホールド感を向上。
CL250のエンジンは、基本はレブル250と共通ながら「カムシャフト」を変更。
レブル250はCB250Rと同じ高回転型で、CL250はCRF250Lと同じ低中速型。
出力特性を表した資料を見ると高回転域はレブル、低中回転域はCL250が上回っています。
純正アクセサリーで用意された「クロススタイル」の話題も出ました。
各部にアウトドアに似合うアイテムを装着。
単体でチョイスしてもマッチするデザインで、自由な組み合わせが可能。
ホワイト以外のカラーに装着しても違和感のない仕上がりを目指しました。
「フラットシート」を装着することにより「機動性」と「快適性」が向上。
高さは+30mmながら、丸くて細いので足つきがよい仕上がり。
グローバルでもこちらがオプションパーツで、標準シートが世界共通仕様。
次回は、試乗インプレッションをレポートします!
(取材協力)
本田技研工業株式会社
株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
(写真・文)
森井智之