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ホンダ E-クラッチ 技術説明会 レポート!
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- 2024.01.03
2023年12月20日(水)に行われた「ホンダ E-Clutch 技術説明会」のレポートです!
2023年12月20日(水)に行われた、ホンダ E-Clutch 技術説明会(以下、E-クラッチ)。
開発された経緯や、技術説明、車両展示が行われましたのでレポートします!
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E-クラッチは世界初の技術!
(左から)
本田技研工業株式会社 二輪パワープロダクツ事業本部
坂本順一氏(大型モーターサイクルカテゴリーゼネラルマネージャー)
小野惇也氏(E-クラッチ 開発責任者)
竜崎達也氏(E-クラッチ 制御設計プロジェクトリーダー)
伊東飛鳥氏(E-クラッチ 駆動系研究プロジェクトリーダー)
開発陣は、E-クラッチを「マニュアルトランスミッション(以下、MT)の進化版」と説明。
MTの魅力を維持したまま、オートマチックトランスミッション(AT)のメリットも持ち合わせた技術。
ギアチェンジの際のクラッチ切断 / 接続動作を電子制御で行うことにより「操る楽しさ、喜び」を実現。
開発コンセプトは「Take You to the NEXT STAGE 幅広いライダーにワンランク上の走りを」。
E-クラッチは、世界初の技術となります。
DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション 2009)発売後の、約10年前に開発をスタート。
DCTの技術を活用しMTのライディング体験をもっと楽しく、もっとエキサイティングにすることを具現化。
ライダーの「より自由にライディングを楽しみたい」という想いをサポート。
開発目標は3つを設定。「クラッチレバー操作不要」で
「高いスポーツ性能」=「走る・曲がる・止まる」に集中。
「快適性」=移動時の疲れを軽減。
「安心感」=発進 / 停止時でのエンストの不安を払拭。
通常のMTは発進時「クラッチ握る」「ギアを1速に入れる」「スロットル操作」&「クラッチ離す」。
E-クラッチは、シフトペダルを踏んで1速に入れたらスロットルを開けるだけで発進が可能。
以後の変速もシフトペダルの操作だけ。停止時は、ニュートラル出し / クラッチレバーの操作が不要。
E-クラッチはエンジン側クラッチレバーを3分割構造とし、2個のモーターによって動作を制御。
モーターを2個とすることで小型化とともに、ひとつが壊れてもシステムが動作を止めないための配慮。
最小限の部品変更、追加によるシステムの搭載で、ライダーのフットスペースへの影響を抑制。
(写真提供 ホンダモーターサイクルジャパン)
650ccエンジンが最初に選ばれたのは、グローバルでの販売ボリュームが大きいから。
このクラスが、エントリーやリターンライダーまでもカバーをするというのも理由のひとつ。
開発当初は、リッターバイクや250ccでの搭載も検討をしたそうです。
さらに大きな特徴が「任意のタイミングでクラッチレバー操作による変速が可能」な点。
ライダーはシステム作動時でも、クラッチレバーを握るだけで通常のクラッチ操作が可能。
イージーライディングからスポーツライディングへの変更に、特別な操作はいりません。
マニュアル変速を終えて所定の条件を満たすと、自働制御に復帰します。
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AT限定免許での運転は不可
ただし、クラッチレバーがあるので「AT限定免許」での運転は不可。ここがDCTとの大きな違いです。
クラッチレバーがあることで「半クラッチ」が使えるのも大きなメリット。
これはUターン時や狭い場所での取り回しの際、ライダーの操作でスムーズに走行。
ちょっとだけクラッチレバーを触らせてもらいましたが、興味深い点がありました。
それはシステム作動時のレバー操作が「非常に軽い」こと。
もともと「アシスト&スリッパークラッチ」が付いていて軽いのですが、比較になりません。
積極的なレバー操作がしたくなる、そんな印象を持ちました!
E-クラッチ搭載車は、イグニッションオンで常にシステムが作動。
システム作動時は、メーターパネル右側にグリーンのインジケーターが点灯。
チェンジペダルを操作してのギアチェンジは、通常のMTと同じ。
そのため、車速に対して高いギアを選択している場合にはメーター内に警告を表示。
シフトペダルのペダル荷重は、アップ / ダウンのそれぞれが3段階に調整が可能。
システムON / OFFの変更は、停止時に左グリップ部にあるセレクトスイッチで可能。
制御介入なしの従来と同じスタイルを選択するのは、限られた状況の場合のみとなるようです。
CB650Rのスロットルはワイヤー式ですが、この点は変更なし。
電子制御のスロットルバイワイヤへの変更なしでの搭載が可能な点も注目ポイントです。
「クイックシフター」は発進 / 停止時のクラッチ操作が必要なのが、E-クラッチとの大きな違い。
さらにE-クラッチは半クラッチ制御があり、クイックシフターよりも動作がスムーズ。
E-クラッチもクイックシフターと同様に、スロットルを戻さずに変速が可能。
従来のMTエンジンの構造を大幅に変更することなく、システムの搭載が可能。
MT / DCT搭載を設定するモデルでは50~60%がDCTを選択も、E-クラッチでは60~70%の搭載が目標。
比較的安いコストと少ない重量増のシステムなので、今後は積極的に展開を予定。
E-クラッチ搭載車は、2024年中の発売を予定。
乗り味が非常に気になるシステムで、期待が高まります!
(取材協力)
株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
(写真・文)
森井智之