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【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】第3回 ツーリングバッグ論

  • おすすめコラム
  • 2018.08.06

【KAZU中西の鋼騎馬ラプソディ】第3回。今回はズバリ「ツーリングバッグ論」です。日帰りなのか泊まりなのか、行き先は何処なのかで持ち物は大きく異なるもの。ツーリングを知り尽くしたKAZU中西さんが活用する荷物の積み方、皆さん気になりますよね!?

キャンプツーリングでは必需品だけれど、街乗りでもあれば便利なツーリングバッグ。僕はこんな風に使いこなしています。



・今時は何かと持ち物が多いので…

ポケットに財布と免許証を突っ込んで、

友人の家までひとっ走り…。

僕が乗り始めた頃、

オートバイはそんな風に付き合える乗り物でした。


少し手荷物のある人は、

ウエストバッグ(ポーチ)やタンクバッグを使っていました。


僕より少し先輩の世代では、

振り分けタイプの布バッグや

レザー製のサドルバッグを使っていたように思います。


時は流れて現代、

財布や免許証はもちろんのこと、

携帯電話やスマートフォン、そのバッテリーパックなど、

手荷物はどんどん増えています。

さらにツーリングともなれば、

日帰りでも何かと荷物が増えがち。

手回り品はポーチ類で対応するとして、

上手に使いこなしたいのがツーリングバッグです。


僕は日帰りツーリングなら

小さめのシートバッグを使っています。

出発時の中身はハンドタオルとレインウエア。


立ち寄る先々で購入するお土産分の容量を確保しておきます。

特にソロツーリングの場合は

オートバイ本来の運動性能をスポイルしたくないので

あえて小型のバッグを選んでいます。

image

  • 各バッグにはそれぞれ利点がある


・多目的に使えるタンクバッグ

容量はシートバッグより少ないけれど

アイデア次第で使いこなせるのがタンクバッグです。


タンクバッグは文字通り

シート前の燃料タンク上に装着するものです。


マップホルダーやコインホルダー付きなど

目前にあるからこそ便利で使いやすいわけですが、

僕は昔からリアシートに括りつけて使うことがほとんどです。


ハンドル操作の自由度を損ないたくないとか、

燃料タンク上に重みを増やしたくないなど、

理由は色々とありますが、

オートバイの顔は燃料タンクだ!というこだわりが

そうさせているのかもしれません。


リアシートに括りつけて良いなと思うことは、

バッグの形状や構造的に

荷物を積んだことによるトップヘビーが抑えられ、

着脱や中身の出し入れがクイックに行なえること。


そもそもシートバッグではないので、

ズレ動きやすく固定しづらいという声もありますが、

普段からスムーズな運転を心掛けているせいか、

そのような問題は起こらないです。


思い付きからちょこっと出かけたい!という場面で

何かと重宝するのがタンクバッグだと思います。

タンクバッグはシートに縛る



・バランスを取りやすいサイドバッグ

オートバイの運動性能をスポイルしたくない場合、

経験からサイドバッグが良いと思います。

シートバッグのように積み上げ式ではないから

トップヘビーになりにくく

左右バッグの重さが均等になるよう荷物を収納すれば

やじろべえ効果でバランスを取りやすい。


峠越えのワインディング路で頻繁に切り返す際、

シートバッグの時とは明らかに異なる操縦性の良さがあります。

安全運転の意識からすり抜けをしない僕にとっては

車幅の増加分も気にならない。


なお、日本は左側通行なので、

追い越される際にぶつけられる可能性のある右側は

レインウエアや衣類などの壊れにくい物、

左側は壊れては困る物を入れるようにしています。

バランスの良いサイドバッグ

  • バイク旅を満喫するために…

・ロング&タンデム対応

長期間または長距離のツーリングや

荷物が多くなるタンデムツーリングでは

パニアケースが使いやすいです。


トップ+サイドの3丁掛けなら

生活環境を丸ごと移動できる感覚で

突発的な降雨にも万全の体制。


オートバイ本来の運動性能はスポイルされますが、

「今は旅仕様だから」と気持ちを割り切れば問題なし。

大荷物の時ほど、その便利さに感心する事でしょう。




ただし、パニアケースゆえの注意点もあり。

たとえ中身が空っぽだったとしても

走行風による荷重は常にかかっていて、

ある速度以上で連続走行をすると

車体が大きく左右に振られたり、

パニアホルダー(ラック)が破損する恐れあり。


リアサスペンションのスプリングプリロードを増すことで

少しは振れ対策になりますが、振れを無しにすることは物理的に不可能です。


その辺りはパニアケースの取り扱い説明書に明記されていますので

使用前は必ず読むこと。

パニアケースは便利ですが




・折りたたみ可能なら抜群の便利さ

大荷物だから3丁掛けしたい!という場合、

シートバッグ+サイドバッグという

ソフト系の3丁掛けもあります。

パニアケースのように

突発的な降雨対策はできませんが、

折りたたみ可能なタイプなら道中でシートバッグへ収納、

運動性能を少しでも取り戻すことができます。


僕は出先で荷物が増えた時、

増加分をシートバッグへ押し込んで、

車体から外して宅配で自宅へ送ってしまいます。


残るのはサイドバッグだけですから

例えば帰路の走行性能は快適そのものです。




・パッキングの上手さが表れる

ツーリングバッグを使うシチュエーションで

もっとも難しく、面白くもあるのが

キャンプツーリングです。

いかにキャンプツーリング用と銘打っていても

容量には物理的な限界があり、

パニアケース3丁掛けでも足りない!という人もいます。


とはいえ、括り付け方を工夫すれば

思っていた以上の大荷物を運ぶことが可能です。


ポイントはバッグの複数使用だから出せる安定感と

荷下ろしの順番を考慮したパッキング。


積み方のセオリーは、

重くて硬いものは下、

軽くて軟らかいものは上ですが、

それだけに徹する必要も無く、

むしろ下=2、上=1のように

台形フォルムを心掛ける方が

安定した積み方になると思います。


括り付け方に関しても

動かないようにギッチギチに固定したいところですが、

あえて少し動くように括ることで

路面から受ける衝撃を躱すという積み方もあります。


僕が主催するキャンプツーリングでは、

テントやシュラフ、バーナー類、食器類、食料、衣類の他

大型の焚火台も持っていくことになり、

かなりの大荷物なのですが、

お風呂マットと厚めの板でベースを作り

Kemekoのシングルストラップを活用することで

大荷物ながら走行中の安定感を出しています。

上手く積めた時の喜びは、宴の肴にもなりますね。

  • ツーリングバッグが無いイレギュラーは必ず来る!

・イレギュラーな対応はどうするか?

例えば、何からの理由でツーリングバッグがない!

ツーリングバッグを使用できない!という場合はどうするか?

僕はキャンプツーリングで使っている

Kemekoのシングルストラップを活用しています。


出先で荷物ができた時は、

ツーリングネットと段ボール箱を組み合わせて使用。

古典的ですが、その昔はこの方法も当たり前だったので

大して困らないというか。


ロープワークができる人なら

紐さえあれば何とか括り付けられますね。




・万能に使えるバッグは一つ持っておくと良い

1990年以降はDR800Sを筆頭に複数の250ccトレール車も所有、

それらで行けるキャンプツーリングや

藪漕ぎ廃道ツーリングにハマっていたこともあり、

ツーリングバッグからパニアケースまで、

それこそ多種多様なバッグを使ってきました。


そんなバッグ類の中でこれだ!と閃き、

20年近く愛用しているモデルが

タナックスのフィールドシートバッグです。


ツーリングはもちろん、

カメラ機材を収めて取材に行く時も出番が多い。

車種を選ばず安定的に固定できるのも

お気に入りポイントです。


このように多機能多用途なバッグを一つ持っておくと

工夫して使いこなせるだけでなく

足りない部分を補うだけのバッグを追加保有していけばよいから

結果的に無駄遣いをせずに済むのかな?とも思います。

制作・協力

■ライター:KAZU中西

文筆業をメインにステージMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)で活躍。

現在Z2(Z750Four=KZ750D)、VMAX(RP22J)、XJR1300(RP17J)を所有

プライベートではTOMCATSというモーターサイクルクラブに所属しツーリングやキャンプを満喫。

オートバイ以外の趣味はモーターボート。


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