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【Michelin POWER 6 / GP2】250cc~ビッグバイクまでカバーする名作タイヤ

  • おすすめコラム
  • 2024.04.17

今回は名作タイヤ【Michelin POWER 6 / GP2】を紹介します!

ミシュランのパワー5及びパワーGPがそれぞれパワー6とパワーGP2へと進化した。左右非対称グルーブデザインなど、近年のシャープでスポーティなデザインのバイクにマッチするよう、アクティブなデザインとしたのが大きなトピックである。走りの方は……良い意味であまり変わらなかったのが意外だった。

 

  • 「パワー」シリーズの良さを より多くの車種に

ミシュランはツーリング向けの「ロード」シリーズ、よりスポーティなパワー(5/GP)シリーズ、そして主にサーキット向けのパワー(カップ)シリーズが、今のメインマーケットである大排気量ロードモデル向けのラインナップだ。これらシリーズはそれぞれ、雨を逃がすための「サイプ」であったり、あるいはトレッド面のブロックパターンやゴルフボールパターン、そしてハイエンドになると中央部のみに短いグルーブだけを配するなど、それぞれの商品で個性的なデザインを展開してきた。このおかげでどの商品でも「あ、ミシュランだな」とわかることも多いだろう。

 

 それぞれのタイヤメーカーによって性能における「らしさ」を追求する姿勢はあるだろうが、シンプルに「見た目がカッコイイ」というのも選択の基準になるはず。ルックスにおけるオリジナリティを追求しているという意味ではミシュランは一歩先を行っているかもしれないが、今回のモデルチェンジでもミシュランはその点をしっかりとアピールしている。今回の新作、パワー6及びパワーGP2はよりアクティブなビジュアルイメージで個性をアピールしてくれているのだった。

 

 パワー5はこれまでもオールラウンドなスポーティブランドとして人気を博してきたが、新作のパワー6はデザインのリフレッシュの他、ドライグリップ、ウェットグリップだけでなくハンドリング性能やウォームアップ性も向上させた。ライフは前作と同等を確保しつつ、他の性能を底上げした形だ。

 

 試乗車はホンダCBR650R。スポーツツアラーという意味ではこのタイヤにぴったりとマッチする車種だろう。ミシュランの試乗会では前作と新作を同じバイクに装着し直接比較をさせてくれるのが定番だが、今回もパワー5を装着したCBRでまずはコースインする。

 パワー5が出た時も同じテストコースで試乗し、その時も好印象だったが、時が経ってもパワー5の印象は旧くならず、とても素直な性格が安心感を提供する。試乗日は寒い日だったが走り出しから神経質な部分はなく、スルスルと路面をなぞっていく感覚はとても気軽であり、どんなバイクにも懐深くマッチしそうな感触である。ペースを上げていくとベタっとした接地感というよりはコロコロとフリクション少なく旋回していく印象。ブレーキングからギュッと路面を捕えてグイグイと曲がるという性格ではなく、公道でよくある、パーシャルで「なんとなくコーナリングしている」といった状況が得意だろう。

 

 パワー6に乗り換えると、いい意味で印象がとても似ている。いくらか内部構造が変わったことで向き変えや立ち上がり加速が楽になっているはずなのだが、接しやすさというか、気軽さはパワー5と同じだ。ただこちらではペースを上げていったらいとも簡単にステップを擦り始めたのがパワー5との違い。乗っている感覚としてはあまり変わらないのだが、実際はよりスポーティに走らせていたのだろう。

 

 もう一つこのパワー6でアピールとなるのは小排気量バイク向けのフロント1 1 0 幅、リア140/150幅サイズも新たにラインナップされたこと。しかもこの小排気量サイズはよりスポーティな設定に感じ、むしろパワーGPに近いような積極的なコーナリングも見せてくれた。これならワインディングを張り切って走らせられるだけでなく、空気圧を落とすなどしてサーキットでも楽しめることだろう。

 

 パワーGPの方はパワーGP2へと進化。こちらもドライグリップ、ウェットグリップ、ハンドリング、そしてライフも伸ばしている。このカテゴリーのタイヤでウェットグリップ向上は必要なのか? とも思ったが、公道とサーキットを半々ぐらいの想定がされているタイヤだけに確保しておくべき性能だろう。公道では気持ちの良いコーナーのその先に水たまりがあることだって、十分考えられるシチュエーションだ。

 

 こちらも同様に前作のパワーGPからテスト、車両はGSX-S750である。まずはパワー6とは段違いのフロント周りの接地感に驚く。ブレーキでフロントに荷重を集めて、そのままブレーキを残しながら深くバンクさせていく感覚は完全にサーキット向けのタイヤであり、アドレナリンがどんどん出てきてしまう。アクセルを大きく開けた時のリアの踏ん張り感、サイドウォールが潰れて路面の細かな凹凸にコンパウンドが食い込んでいる感覚が明確であり、ついついアクセルはワイドオープンである。

 ただ困ったことにパワーGP2に乗り換えてもその印象がほとんど変わらなかったのだ。低速でも高速でも、ハンドリングを試すスラロームのような場面でも、変わらずとても良い。これはブラインドテストだったら違いが判らなかったかも知れない。ただ、しっかりと空気圧を管理してタイムを計れば違いは出るだろうし、またライフも向上しているというのはありがたい進化のはず。乗り手に感じさせないような、細部のアップデートといった印象だった。

 

 今回のモデルチェンジは、2銘柄ともあまり大きなものではない、というのが総合的な印象。デザインの面で新しいものが好きなお客様には新作を薦めやすいだろうし、コスト重視のお客様には「性能的にはそこまで大きな違いはないよ」と従来品を薦められるだろう。メインのアピールポイントは小排気量向けのパワー6がラインナップされたこと、そしてパワーGP2も160幅が新たに設定されたことでミドルクラスにも対応したこと。これにより新たなお客様にもアプローチできるのは強みだと思う。

 既に良かった2銘柄が、デザインをリフレッシュし、総合性能を底上げし、そしてより多くの機種に対応した、というのが今回のモデルチェンジである。

 

  • 試乗インプレッション

革ツナギではなく通常のライディングウェアで楽しみたいレベルのスポーツ走行ならば十分以上に対応してくれるパワー6。寒い朝やウェット路面でも神経質さがなく付き合いやすいし、メリハリある操作をしていない時でもコロコロを行きたい方向へと自然とバイクを向けてくれる。パワー5と大きな違いは感じられなかったが、パワー6に乗り換えたら早々にステップを擦り始めたのだから実際にはペースが上がっていたはずだ。

 

革ツナギを着て、かつ車両がよりスポーティなGSX-Sであることもあって、そもそも走り出す時のメンタリティが違ったのも事実だが、パワーGP2はパワー6とは段違いのスポーティさを感じさせてくれた。普通に走っていても別段扱いにくさはないのだが、しっかりとバイクのピッチングを使って、積極的に加重していった時のフィードバックはサーキットタイヤと同じイメージでかなり自信を持って思い切った操作をさせてくれる。

 

パワー6は新たに250ccクラスに対応したサイズをラインナップ。試乗車はCBR250RRとニンジャ250だった。いずれのバイクでもマッチングは非常に良好。フロントがかなりしなやかに感じられ、パワー6というよりはパワーGPシリーズに近いような積極的でスポーティなフィーリングだった。これは250ccクラスのライダーには嬉しい新たな選択肢である。

 

あらゆる路面での安心感を確保するのは、ミシュランが常々アピールしていること。特にパワー6ではウェット路面で元気にスラロームしたが、なるほど安心感は高かった。雨の日にわざわざ出かける人も少ないかとは思うが、出先での雨などでは心強いだろう。

 

  • 製品詳細

<POWER 6> 中央に長めのグルーブ、そしてサイドの短めのグルーブがさらにサイドにいくほどにブロックパターンのような模様に繋がっていく基本デザインは、前作パワー5から引き継ぐ。メインのグルーブは前作では左右対称だったものを、非対称にすることでアクティブさを演出する。またサイドウォール部にはチェッカーパターンを配し、レースの世界との繋がりもアピールする。なお深いバンク角で接地するサイド部にはPOWER6のロゴが新たに加えられたのだが、その字体が妙にポップなのがかわいらしい。

 

(タイヤサイズ・前)

110/70ZR17

120/70ZR17

 

(タイヤサイズ・後)

140/70ZR17

150/60ZR17

160/60ZR17

180/55ZR17

190/50ZR17

190/55ZR17

200/55ZR17

240/45ZR17

 

<POWER GP2> 長いグルーブとするのはミシュランに限らず近年のスポーツタイヤのトレンドとも言える。こちらもパワー6同様に左右非対称デザインとすることでアクティブなルックスを獲得。グルーブを長くとりつつもボイド比(溝とトレッド面の比率。シーランド比)は前作同様の6.5%に設定しているため、結果としてフルバンク時の接地面積は増大。前作よりも高いドライグリップ性能を確保している。

 

(タイヤサイズ・前)

120/70ZR17

 

(タイヤサイズ・後)

160/60ZR17

180/55ZR17

190/50ZR17

190/55ZR17

200/55ZR17

 

制作・協力

■試乗・文:ノア セレン ■写真:日本ミシュランタイヤ ■協力:日本ミシュランタイヤ

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