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【石塚健の目指せMotoGP】第16回 全日本ロードレース選手権2021 最終戦にスポット参戦
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- 2021.10.27
【レーシングライダー石塚健の目指せMotoGP】vol.16。今回は急遽参戦が決まった全日本ロードレース選手権最終戦 オートポリスラウンドのレポートです!
こんにちは。レーシングライダーの石塚健です。
今回は、急遽代役参戦が決定した、全日本ロードレース選手権最終戦 オートポリスラウンドをレポートしたいと思います。
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テスト無し、初めて尽くしと不利な状況での参戦
このスポット参戦は、全日本ロードレース選手権ST1000クラスにフル参戦をする「TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW」からフルエントリーをしていた渥美心選手が、世界耐久選手権(EWC)へのスポット参戦が決定し、その代役としてチームに声をかけてもらったことから始まりました。
しかし、参戦が決まったのは8月の中旬頃。レースが開催されるのは、9月17日から9月19日既です。そのため、公式テストは終了しており、ぶっつけ本番状態での参戦となります。
さらに、マシンはBMW「S1000RR」、タイヤはダンロップのワンメイクタイヤと、僕にとってはどちらも初めての仕様です。
しかもオートポリスサーキットを走るのは、2018年の全日本選手権J-GP2クラスに参戦していた時以来の、3年振り。加えて、1000ccでのスプリントレースは自分自身初めての経験であり、色々と初めてづくしのレースとなります。
そんな状況での参戦となった最終戦には、31台のエントリーがありました。
自分がオートポリスでこのマシンに乗って練習できる、唯一のフリープラクティスがおこなわれた金曜日は、九州地方に大型の台風が接近しており、午前中におこなわれたFP1は、乾きかけの微妙なドライコンディションでの走行となります。僕は、マシンやサーキットの状況を確認しつつ、1本目の自己ベストは1分53秒976。全体で13番手となるタイムでした。
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予選レース
土曜日は晴れ。前日の微妙なコンディションとは打って変わって、ドライコンディションで予選がおこなわれました。
FP1の35分間を走行したのみでの予選で、しかもコンディションも違うとなると、ドライとはいえ大きなリスクです。
そんなぶっつけ本番状態の予選となり、その時の持てる力は出し切ったものの、結果は1分53秒177で14番手。前日のFP1に比べると約1秒短縮できましたが、レースは後方からのスタートとなってしまいました。
予選後は、決勝に向けてセッティングやライディングなど、少しでも状況を改善するために、チームとさまざまな話し合いを実施。決勝レースでのイメージを膨らませていきます。
その結果、決勝日の朝に行われたウォームアップ走行では、1分52秒463をマーク。全体の6番手タイムを記録することに成功します。
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決勝レースで自己ベスト!しかし・・・
そして迎えた決勝レースでは、後方となるスタート位置を考慮し、とにかくスタート直後と1周目にポジションをどれだけ上げられるかに集中することを決意。イメージどおりにスタートを決め、1周目に14番手から10番手までポジションを上げるこができました。
さらにレース中もいいペースを刻むことができ、自己ベストとなる1分52秒421を記録。その後も順調にポジションを上げ、レース後半には6番手に浮上します。
しかし、5番手を走るライダーを追いかけようとしたタイミングで、シフターにトラブルが発生。その後はペースを保つことが難しくなってしまい、最終的にふたつポジションを落とした8位でチェッカーを受けました。
参戦を決めた時に思い描いていたような結果にはなりませんでしたが、どんな状況でも与えられた環境でベストを尽くす。ここ数年参戦してきたCEVで学んだことが全て出し切れたレースにできたと思います。
CEVの最終戦については、まだ資金の目途が立っていない状況ですが、いい報告ができるよう頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。
レーシングライダー 石塚健
バイクの窓口編集部