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【石塚健の目指せMotoGP】第8回 CEVレプソルインターナショナル選手権 第3戦・第4戦

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  • 2020.09.10

【レーシングライダー石塚健の目指せMotoGP】vol.8。今回は、CEVレプソルインターナショナル選手権の第3戦・第4戦をレポートします!

こんにちは。レーシングライダーの石塚 健です。

今回は、スペインにあるへレスサーキットで行われた、第3戦・第4戦をレポートします。


新型コロナウイルス感染拡大の影響で、かなりの過密スケジュールとなった今シーズン。

開幕戦と2戦目は、2週間連続というスケジュールだったのですが、今回は1つのレースウィークで2戦分やってしまうという、さらに詰め込まれた日程での開催となりました。



レースウィークのスケジュールは、8月26日に35分間のフリープラクティス(FP)が3本、27日に40分間のFPが2本、28日に40分間の公式予選が2本、29日に15分間のウォームアップと第3戦の決勝レース、30日に15分間のウォームアップと第4戦の決勝レースです。


2戦分のレースウィークが、1回にまとめられてしまう事。それは、その分コースへの理解やマシンセッティングにかけられる時間が少なくなったことを意味します。


さらに、転倒してマシンや体にダメージを負ってしまうと、場合によっては2戦共に影響を及ぼしてしまうこともあり得ます。

そんなこんなで、「コロナめ~!!」と思いながらも、走行をスタートさせました。



へレスは昨年も走ったサーキットのため、走りだしの手ごたえは良好。

予選までには全部で5本のFPが走れる予定だったため、「今回は、タイムを詰めていけるぞ~!」とワクワクしながらコースインしたFP3に、突然のエンジンブロー。


転倒は回避したものの、惰性でセーフティーゾーンに行くこともできない状態だったため、マシンがコース上で止まってしまい、赤旗中断となってしまいます。


その後、走行は再開されましたが、僕のマシンはエンジンの乗せ替えが必要となったため、僕の1日目の走行は、そこで終了。


FP全ての時間を使って、セッティングを詰めていけると信じていた僕は、焦る気持ちを抑えきれません。



しかし、翌日におこなわれたFP4は、載せ替えたエンジンの慣らしからのスタートで、全開走行はできません。


他ライダーの走行を妨げないように、メカニックに指示された速度で周回を重ねることになりました。



その後、慣らしが終わり、エンジンチェックのためにピットインをすると、ブレーキトラブルが発覚。修復を試みるも間に合わず、そのままFP4の走行は終了となります。

その結果、走行時間内をフルで走ることができたのは、FP1とFP2 、そしてFP5の3本のみでした。

「ただでさえ、出遅れているのに」

日本から通いでCEVに参戦する僕は、事前テストに参加することがほとんどできません。

その足りない分を補うためにも、FPを無駄にすることはできないのです。


しかし、これもレース。やるしかありません。



まずは、レースのグリッドを決定する公式予選に挑みます。FPでの僕のベストタイムは1分45秒676。目標タイムは1分44秒台です。


目標タイムを目指し、今持てるすべての力を振り絞って渾身のアタックを決めるも、予選結果は1分45秒243で15番手。残念ながら、目標の44秒台に入れることはできませんでした。


この、コンマ2秒という瞬きもできないような一瞬が、レースの世界では大きな壁となるのです。

前戦からの約1か月間、必死でフィジカルトレーニングを行ってきたため、パワフルなmoto2マシンに乗っても、以前ほどの疲労感はありません。マシンを調子よく操れた時に感じられる、「乗れている」という感覚もありました。


しかし、それでもまだ、何かが足りません。もちろん、時間が圧倒的に足りていないというのはありますが、でもそれだけじゃない、moto2を速く走らせるための何かが、まだあるはずなのです。



そんなことを考えながらも、まずは第3戦の決勝レースがスタートします。

スタートを決め、1つでも前にでようとするも、ぶつける勢いでポジションアップを目指す他ライダー達に押し出される形で、すぐに後退。そこから追い上げのレースとなりました。


僕は、走りながらも、「これだ!」と確信。他のマシンにぶつけてでも前に出たい。その覚悟が足りないことに気付きます。


CEVに参戦し始めてからいつも驚かされる、世界を目指すライダー達のアグレッシブさ。これは、日本のレースには残念ながらありません。


僕が世界に行きたいという気持ちは、CEVに参戦するどのライダーにも負けない自信はありますが、資金が足りないことがネックとなって転倒を恐れるあまり、ぶつけてでも前に出てやるという気持ちより転ばない事を、どこかで優先してしまっていたのです。



僕に足りないのは、「ぶつけてでも前に出てやる。」と「絶対に転ばない。」この2つを両立する自信であることに気付かされました。


転倒するとクラッシュコストがかかり、お金が足りなくなってしまうという恐怖。この怖さが、どこかで自分にブレーキをかけてしまっているのです。


それは、資金不足に悩む僕にとっては一番難しい問題ですが、自力で世界に行くことを決めたからには、乗り越えなくてはいけない壁でもあります。

僕は、今回のレースで、自力で世界を目指すということの難しさを、改めて思い知らされることになりました。


決勝結果は、第3戦・4戦共に13位。毎戦確実にポイントは取れるようになっていて、昨年よりは明らかに進化しているのですが、この位置を走っているようでは、世界には届きません。



資金不足を、自分が遅い言い訳にしたくない。

次戦こそは、ぶつけてでも前に出てやるというアグレッシブさと、絶対転ばない自信を身に付け、今シーズンの仕切り直しを果たしたいと思います。
制作・協力

レーシングライダー 石塚健

バイクの窓口事務局

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