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第8回【アプリリアRS250 Z400FX-Ⅱ型】
- おすすめコラム
- 2016.08.19
実はバイク好きでもある、テリー伊藤さんが自慢のバイクをガンガン斬るこのコーナー。 第8回目はアプリリアRS250&Z400FXです。
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原田レプリカ!
(テリー)
ウォーっ、これはスゴイバイクですね。アプリリアだね。
このカウリングに書かれたレーシングという文字は日本語で書いてある。
珍しいよねえ。だいたいこういうのはアルファベットで書かれているでしょ。
(須永社長)
このアプリリアRS250はロードレース界で1980年代後半から2002年まで
活躍した原田哲也選手の1997年レプリカモデルとして制作したんです。
原田選手は日本人として初めて海外メーカーのワークスライダーとして活躍したライダーで
日本でも圧倒的な人気を誇りました。
この「レーシング」という文字ですが、当初はアルファベット表記で車体に貼られていたんですが、
アプリリア社が日本人である原田選手を認めた証としてカタカナ表記に変えたんです。
イタリア人が作ったので最初はレーシングの文字が間違って貼られていましたが、
その後に修正されてこのカラーリングで世界GPを走っていたんですね。
アプリリアにとってもまさに最も活躍していた時期で、そのレプリカ市販車として発売されました。
スズキRGV-γのV型2気筒エンジンを搭載し、ノーマルより高い70psを発揮したとされています。
それにはもちろん、この「レーシング」の文字はありませんでしたので自分で作りました。
(テリー)
じゃあもう発売から20年近く経つんですね。それにしては随分と綺麗。
自分で全部やったのですか?
イタリアのバイクだとパーツもなくて苦労したんじゃないですか。
僕も外車乗って後でえらく苦労したことがありますからね。壊れた時が大変だから。
(須永社長)
そうですね。
このバイクのベース車両は、実はオークネットバイクオークションで落札したんです。
なかなか良いものがなくてこれも評価点2点車なんですよ。
程度が悪いと心配していました。でも長時間かけてなんとかここまでレストアしました。
来た時はピストンも入ってなかったんですよ。
パーツが入手できないのもありましたが、他パーツを流用して制作、
「ハラダレプリカ」が完成しました。
今自分で見てもなかなかの出来栄えだと思っています。
パーツがなくて苦労する面もありますが、毎度のことなのであまり気にせずいつも制作しています。
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2サイクル一筋
(テリー)
それじゃ、もうレプリカ一直線なんですね。
(須永社長)
まあ、そういうわけではありませんが、皆さんがやっていることと同じ商売をやっていても面白くない。
自分は以前から2サイクル車が大好きだったこともあってもう13年ぐらいになりますが
2サイクル一筋でやるようにしています。
でも最近はタマ数が減ってきたせいかオークションでも高くなってきて商売は難しくなっていますね。
中には1年間かけてレストアするケースもありますから。
(テリー)
2サイクル車といっても、昔はたくさん売られていたでしょ。その中でも何が一番人気なのですか。
(須永社長)
うちは2サイクル車は何でも受けますけど、やっぱり一番人気はNSR/NS系ですね。
50ccから250cc、400ccなどまでありますが、250ccの最終型が一番人気です。
希少価値も出ていますからなかなか入手さえ厳しくなる一方です。価格も上がる一方です。
皆さん、何らかの思い出があってそのモデルを買うようです。
購入者は30代から40代の方が多いので、ちょうど高校生や大学生時代に専門誌や
レースを見ていてその時の○○が欲しい、となるのだと思います。
従って販売はほとんどネットからの入口になりますので遠方からのお客様が大半です。
近いところでも関東一円、遠い例では沖縄や石垣島にも送ったことがあります。
価格も高いものだと100万円を超えてきますから大切に乗られている方が多いですね。
大切に保管されて、たまに日曜日に乗ってみる…みたいな感じだと思います。
(テリー)
商売としてはどうなんですか。
メーカーが異なれば構造もパーツも全く違うわけだし、時間をかけてレストアじゃ大変な気もしますけど。
好きじゃなきゃできない商売ですね。
(須永社長)
確かにニッチな商売です。
もちろん好きじゃなきゃできないし、手間暇はかかるので効率が悪い。
お客様の予算に合わせてなるべく効率よく仕上げるようにはしていますが。
お客様のこだわりも多いので出来ればご希望に最大限応えて差し上げたいですしね。
メカには弱いお客様も多いので、初心者向けの「メンテナンスDVD」も販売しているんですよ。
約1時間もので34,800円です。
テキストと工具もついていますから、日常のメンテナンスは初心者の方でもできるようになると思っています。
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兄弟揃ってバイク好き
(テリー)
もう一台、このFXはまた綺麗に出来ていますね。
これは2サイクルじゃないけど…?
(須永社長:兄)
はい、洋史の兄の武夫ですが私が作りました。
私は現行車と旧車を半々ぐらいで商売をしています。
ものカワサキZ400FXは2型で1979年式になります。
元々は車輪とエンジン、メーターしかなかったんです。
それを約2年半かけてここまで組み立てました。捨てるにはもったいない気がしまして。
倉庫にあったストックパーツと無いものは社外パーツを組み込んで、
費用だけでも100万円以上かかりましたね。
ポイントは今は無きカワサキ系の社外パーツメーカーだったJMCのクランクカバーやマフラー、
テールカウルなどを多用したことです。結構渋い仕上がりになっていると思います。
(テリー)
まあー、兄弟揃ってバイク好きというか…。
正直もっとしっかり商売やった方がいいんじゃないかと思わず心配しちゃいますが、
バイクの世界を広げるという意味では、色々なバイクを消費者に提供する仕事は必要だし、
喜ばれる人たちでしょう。
一緒にいらっしゃったお父様も本当に個性豊かな人で、
ファッションからしてバイク屋さんには見えないしユニークです。
それにしても親子3人仲良くそれぞれの道でバイク屋さんを経営しているなんて、
ある意味羨ましい気もしますね。
これからも仲良く元気に楽しいバイクライフを提供して下さい。ありがとうございました。
制作 :バイクの窓口編集部
取材協力:スナガ輪業・リトルウィング 須永武夫・洋史(埼玉県羽生市)