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電動バイクメーカーTorrotの工場見学しました②
- おすすめコラム
- 2023.03.02
【岸田彩美のバイクの楽しさ無限大】vol.146。前回に引き続き、電動バイクメーカーTorrotの工場見学の様子をお届けします!

前回に引き続き、Torrotの工場見学をした時のレポートです。 乗車の対象年齢としてもちろん外れているけれど、お話をお聞きする中で私も一台欲しいと思ってしまう位、Torrotの考え方が素晴らしいと感じました。
- マシン走行を見学
Torrot Kidsシリーズは、無料でダウンロードできるアプリケーションを使用してパワーの出力やモードの設定を変更することが可能。
「Full・ middle・ low」の3種類に分かれています。
さらにモード設定では、自分で出力を設定できるモードもあり、ライダーの体重や乗り心地に合わせてマシンをセットアップすることも出来ます。
子供たちの安全を守るために、マシンをコントロールできる機能も搭載。
例えば遠くに車が見えた時、アプリのボタン一つでマシンを停止することも可能です。(Bluetoothの届く範囲内)これは電動バイクならではの利点ではないでしょうか。
転倒時や車体とライダーが離れてしまった際に安心のキルスイッチも取り付けられています。安全面がしっかりと担保されており、親御さんにとっても安心。
バッテリーは、子供たちでも簡単に交換できるサイズ。また容量が大きな交換用バッテリーも用意されており、走行距離・時間を増やすことも可能です。
Motocross twoモデルをテストライダーの男性がFullモードで試乗している様子を見学しましたが、子供向けとは思えないくらいのパワフルさ。
私もお跨りだけさせていただきましたが、一度オフロード走行してみたいな~~なんて思ったり…!
大人が乗って楽しめるのだから、子供が乗って楽しくないわけがないですよね。
ここからは、様々な質問をしたのでぜひTorrotさんの魅力を感じていただけたら幸いです。
- Torrotさんに質問してみました
(1) なぜ子供用モデルが多いのか、そしてなぜ電動バイクなのでしょうか?
小さい時から電動バイクと共に成長すれば、簡単に受け入れることができ、Torrotとしても20歳くらいまで寄り添うことが出来ます。電動バイクから始めていれば大人になっても電動バイクに乗るでしょうし、その人が家庭を持った時、子供と一緒に電動の車に乗る方がいいだろうと考えているからだそうです。しかし今の大人にとって、電動バイクを受け入れることは少し難しい。もちろん大人向けのモデルを発表することもできるけれど、このような考えがあって、子供向け電動バイクを作っているとおっしゃっていました。
モーターの世界では多くの競争があったけれど、競争の少ない電動バイクを始めることは、市場のニッチを見て大切な面もあり、子供向け電動バイクを開発・発売しているのだそうです。
(2) ライダーズオブザイヤーとは?
ブランディングの一つで、Torrot Kidsに乗る様子を映した動画の中から高い評価を得た人を毎月1人選ぶそうです。見事選ばれた子は、自身の名前が入ったオリジナルTシャツや帽子などをプレゼントしているとのこと。なお1月には1年間のベストライダーを決めるそうで、好きなバイク一台とウエア一式がプレゼントされるという太っ腹な企画。長い間マーケティングを続けてきた結果、再びブランドを再構築する必要があると考えたそうです。 なおライダーズオブザイヤーは、全世界共通なのでもちろん日本からの応募も可能。南米と米国からの応募者が多いそうですが、今後もTorrotの公式SNSから目が離せません。ぜひチェックしてみてくださいね。
(3) Torrot Academyとは?
販売店が“Torrot Academy“という名前をつけて、モトクロスのレッスンを開催することができるようです。子供達がトレーニングで使う車両をTorrotから安く仕入れることが可能。なおウエアや教えるコーチの提供は無いので、販売店が手配する必要はありますが、初期費用が抑えられるのは利点ですよね。
スペインにはモトクロスコースを所有するオーナーがたくさんいるそうですが、従来のガソリンバイクでは将来プロとして活躍できたであろう子供たちを失ってしまったとのこと。なぜならスペインでは、ガソリンバイクに乗る事が出来るのは6歳から 電動バイクは4歳からと決められているのです。ガソリン車は燃えてしまう可能性があるからだそう。ガソリンバイクで競う子供達は、練習する時は電動バイクで練習をする子もいるそうで、両方のバイクを所有するそうですよ。
(4) Torrotとしてのレース活動は?
実はTorrot Kidsに乗るライダーの8割は趣味や余暇で乗っており、残りの2割がレースに参加しているそう。例えば、Torrot kids Trialに乗るベルギー出身のSimon君は、ガソリン車に乗る大人たちとの大会に混ざって見事2位を獲得するなど期待されています。
現時点でファクトリーライダーやスポンサー契約をしているライダーはいないとのことですが、毎月開催しているコンテストの優勝者へのサポートを行っているとのこと。例えばテントの貸し出しやウエアなど。2023年度のコンテスト優勝者が望むなら手助けしたいとのことでした。
(5) 日本市場についてどう思いますか?
日本市場のレベルは、米国のようにとても早く成長しているといいます。Torrotは米国と3千台を販売する契約をしたそうです。毎回少しずつ始まって、すべてが順調に進むだろうとのこと。現在日本では電動バイクがあまりなく、Torrotが唯一子供向けの電動バイクなので、時期尚早に広がりをみせるだろうとのこと。
他メーカーの電動バイクは高価で、レース向き。しかしTorrotは自宅の庭でも乗れるしレースでも使えるハイブリッドないいとこ取り。そこが強みだそうです。
(6)ニューモデルは考えていますか?
まだ言えないことの方が多いけれど、2023年にはニュースがあるそうです。乞うご期待ですね。
(7)Torrotとしての目標は?
現在はハイブリッドモデルであるが、レース向けの仕様を適合させたキッズモデルを発売したいと考えているようです。子供たちは多くの可能性がある。レースに参加できるようなモデルを売り出せたらとおっしゃっていました。
今回取材させていただいて、子どもたちの未来を見据えて車両開発しているところが、まるで成長を見守るかのような、温かい企業だなと感じました。スペインに滞在していた時は、街中を走る電動スクーターもよく見かけましたし、バイクの電動化はもはや当たり前になってきていると言えるでしょう。とはいえ、私はまだガソリン車が乗れるのなら、禁止されるまで乗り続けると思いますが…(笑)
電動バイクならではの魅力を知ることができてよかったです。
日本で唯一子供が乗ることができる電動バイクTorrot Kidsシリーズですが、趣味として乗る子も、レースをしたい子もどちらも受け入れる貴重な存在だと思います。
転倒しても火傷の心配もないですし、初めて乗るバイクは電動バイクがいいかもしれません。やっぱりバイクは楽しんでこそ!その間口を広げてくれる一台になると思います。
もし気になる方は、日本でも取り扱いがありますのでぜひチェックしてみてくださいね。
エステファニアさんをはじめ、Torrotの皆様 暖かく迎えて下さりありがとうございました。
Torrot
岸田彩美
バイクの窓口編集部