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【遠藤イヅルの名車カタログ】第5回ホンダ・VT250F(1984)

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  • 2016.06.12

イラストレーター遠藤イヅル氏による名車・珍車を紹介するコーナーです。 今週の名車は、Vツイン4バルブDOHCエンジンがロングセラーとなっているVTシリーズの中から、「ホンダ・VT250FE」のご紹介です。

ホンダ・VT250FE

エンジン:水冷4ストローク4バルブDOHCV型2気筒 248cc

最高出力:40ps/12,500rpm

最大トルク:2.3kgf・m/11,000rpm


1980年代初期、

ヤマハが出した250ccスポーツバイク「RZ250」は

レースマシンTZのノウハウを活かした

クラス最強の35psを発生した2ストエンジンを搭載、

前身のRDよりも軽量化が進められたことで

400ccクラスのバイクに匹敵する性能を持っていた。


当時、250ccモデルは

「400ccの低排気量版」という印象だったが

RZ250の登場はその印象を吹き払い、

250ccバイクのブームを巻き起こした。


RZ250に対抗するモデルを

1982年にホンダが送り込んだ。

それが「VT250F」である。


ホンダらしく4ストでRZ250に挑んだが、

Vツインの4バルブDOHCエンジンは

RZ250と同じく35psを誇った。


VTの売り上げは好調で、

1985年には売り上げ一位を記念した

限定モデルも発売されたほどだ。


1983年にスズキがGS250FWで直4・2バルブDOHC、

1985年にヤマハ・FZ250「フェザー」が

直4・4バルブDOHCを搭載したことで

250ccは直4エンジン時代に突入してしまった。


ホンダはその答えとして、

1985年にCBR250Fourを発売したが、

それによってホンダの250ccの主軸は

CBRに移行していくことになった。


なにしろ、CBR250Fourは

レッドゾーン17,000回転、

最高出力は45ps/14500rpmに

達していたのである。


だが、高回転タイプだった直4エンジンと比べて、

低速から使いやすいVツインエンジンを

備えていたVT250Fは、

その後も「扱いやすい250ccモデル」として

存続していった。


エンジンの耐久性もとても高く、

燃費もよく振動も少ないVT250系のエンジンは、

現在もなおVTR250に搭載されて

ホンダのラインナップに残っているほどだ。


バイク便にVT系バイクが

多く使用されることもそれを証明する。


イラストは筆者自身も所有していた、

1984年型のVT250Fである。


■ホンダ VT250F PRESS INFORMATION(1984/2/10)

http://www.honda.co.jp/news/1984/2840210.html

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制作・協力

(イラスト・文)遠藤イヅル

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