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ホンダ 新型 XL750 トランザルプ試乗会! Part3 試乗インプレッション編
- おすすめコラム
- 2023.07.25
「Honda XL750 TRANSALP 報道試乗会」のレポートPart3 試乗インプレッション編です!
山梨県北杜市で行われた「Honda XL750 TRANSALP 報道試乗会」に参加しました。
この日は、製品説明、開発者インタビュー、試乗が行われました。
XL750 トランザルプは、直列2気筒エンジン搭載のアドベンチャースタイル大型二輪スポーツモデル。
「新世代ジャストサイズオールラウンダー」として市街地、ツーリング、オフロードを高い次元でカバー。
新開発のエンジンとフレームは「750FUN 新アーキテクチャー」を用いて、ライダーのメリットを追求。
高い防風性能を備えた「シンプル&クリーンなスタイリング」は、独自の路線で造形。
今回は、試乗インプレッションをレポートします!
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車両詳細
東京モーターサイクルショーの時は、屋内の照明で撮影のみの対面でした。
太陽光の下で見るとスッキリとしたデザインとカラーリングが、大型バイクながらフレンドリーな印象。
用意された試乗車に、気負いなく跨ることができました。
跨った時の第一印象は、タンクからカウルにかけて「意外とボリュームあるな。」と感じました。
しかし、走り出したらまったく気にならないどころか、むしろ「スリム」な印象のほうが強くなりました。
その理由は、シートの形状や張り出しの少ないサイドカバーの影響が大きいと思います。
シートは跨った時は「硬め」と思いましたが、最後までお尻は痛くならなかったです。
試乗後に、そのことを開発責任者の佐藤氏に言うと「むしろ硬い方が痛くならないですよ」。
「足つき」はシート高が850mmながら、かかとが1cmくらい浮く程度でした(身長176cm)。
試乗の際は希望者には「ローシート」への付け替えが可能でしたが、私はそのままで走行しました。
ツアラーらしく、リラックスした上体のライディングポジション。
下半身も自然な位置に収まり、足の曲がりも窮屈さはありません。
特筆すべきは、サイドスタンドを外す際の「気軽さ」。
「車両重量 208kg」という、このクラスとしては軽量な部類の車重によるところが大きいです。
個人的には「210kgの壁」というのがあって(笑)、ここを境に入れる「気合」が高まります。
この車重なら大型バイクながら「チョイ乗り」で出かける機会が増えると思います!
試乗では、ライディングモードの切り替えで「MODE」スイッチを使用。
その右にあるスイッチの操作も聞きましたが、かなりいろいろな変更が出来て楽しめそうです。
純正アクセサリーの「クイックシフター」「グリップヒーター」「フォグランプ」の操作画面。
いずれの動作もメーター表示での選択なので、グリップまわりは最小限のスイッチになります。
用意された車両は全て「クイックシフター」を装備。
「クイックシフター」は、スロットル及びクラッチ操作なしでシフトアップ / シフトダウンが可能。
シフター機能は、シフトアップ / ダウンそれぞれにON /OFFの設定が可能です。
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試乗インプレッション
八ヶ岳の山間部にある施設が発着地。良好な天候で、気温は20°前後でした。
スタート時のライディングモードは「スタンダード」を選択。
クイックシフターは使わず、クラッチ / シフトレバーによる通常の動作で試乗を開始!
観光シーズンではない平日の午後なので、交通量は少なめ。ほぼ自分のペースで走れました。
ほとんど信号機のない道路を流した走りでは、エンジンのパルス感を控えめに感じながら穏やかな印象。
車重の軽さのおかげで、気分的には400ccクラスくらいの感じで走れます。
ワインディングロードで「スポーツ」に切り替えると「活発なエンジン」に印象が変化。
クイックなレスポンスが自分のペースにピッタリで、その後はほとんど「スポーツ」で走りました(笑)。
ハンドリングは、コーナーで狙ったラインにキッチリ決まり、爽快な走りが出来ました!
さらに「クラッチ」と「シフトレバー」の感触が非常によくて、結局ほとんど「マニュアル」で走行。
シフトチェンジの操作が「スパスパ」と決まり、変速が非常に楽しいミッションです!
とはいえ、今回の走行時間は2時間半程度なので、ツーリングならせいぜい片道くらい。
「帰り道」は、やはり「クイックシフター」のお世話になる可能性が高いです(笑)。
そのクイックシフターも、節度よくギアが入って好印象でした。
前後のサスペンションは、ストロークをたっぷりとった良好な乗り心地。
途中、けっこうな段差を超えるシーンがありましたが「ストン」と、ほとんどショックなく通過。
HAWK11試乗の時も感じましたが、最近の新型車はサスペンションの進化が著しいと思います。
身体への直接的なショックやゆさぶりが最小限なので、スイスイ走れました。
市街地も走ってみましたが、交通量がけっこう多めで低速での移動になりました。
ここでは「アシスト&スリッパークラッチ」が、ライディングを補助していたのが大きかったです。
「ハンドル切れ角左右42°」を確保した「回転最小半径 2.6m」の取り回し性が、狭いところで有効でした。
ちょっと気になる施設を見つけた際にも、フラッと立ち寄れる気軽さがあります。
最後に高速道路を走りました。標準装備のETCがセットアップされていたので出入りはラクラク。
ここでは6000rpm以上の高回転域まで回してみましたが、かなり鋭いレスポンスにビックリです。
佐藤氏は「CB750 ホーネットは、フロント浮きますよ」とおっしゃっていました。
6速での巡行走行は80km/hでは軽いパルス感があり、ほどよい振動が心地よいです。
100km/hでは印象が変わります。振動のないシャープな回転感は、新鮮なフィーリング。
このエンジン、もっと引き出しがあると思うので、さらなる状況で走ってみたいと思いました!
試乗では山間部、市街地、高速道路の順で走りましたが、いずれのシーンでも印象的な走りでした。
エンジンの存在感が常にあって楽しく移動しながらも、疲労感は最小限。
専用のパッケージが生む快適な乗り味は、ちょっとクセになる仕上がりでした。
XL750 トランザルプは、エンジン、フレームともに「新設計」。
ホンダが考える「令和バイク」を、ぜひ試乗して体感していただきたいと思います!
ところで、技術説明の際は同時開発の「CB750 ホーネット」の紹介も若干ながらありました。
トランザルプと比較したスライドの画面では「シート高 795mm」と表示していました。
シート高は購入の決め手のひとつにもなるので、ぜひ日本でもホーネットの発売を期待したいです。
高速道路を使ったキャンプツーリングの移動では、オンロードスポーツモデル使用を多数見かけます。
「ストリートファイター」ジャンルのホーネットですが、意外とツーリングで活躍しそうな気がします。
自分では、このエンジンを前傾姿勢でワインディングロードを味わってみたいと思いました!
次回は、純正アクセサリー装着車をレポートします!
(取材協力)
本田技研工業株式会社
株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
(写真・文)
森井智之