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【バイクカスタム】XSR700のカスタム とことん!ローダウン

  • おすすめコラム
  • 2019.12.10

KAZU中西の鋼騎馬ラプソディVol64。今回のXSR700カスタム企画では、身長153cmの女子が安心して乗れるローダウン仕様のXSR700に仕上げました!

  • 掟破りの2ブランド合体技

Vol.62にてプロトのエフェックスローダウンキットを組みました。ダウン量は18mmとのことでしたが、跨った感覚では20mmは下がっていると思います。一般論として、ローダウンキットを組むと、ノーマルより直進安定性や旋回性が悪くなると言われます。メーカーが莫大な費用と時間をかけて作り込んだのがノーマルの設定ですから、僕も間違いないと思います。


ただ、その操縦性をどのレベルまで求めるかによって、逆にローダウンできる余裕も出てくるというか。サーキットやオフロードコースをガンガン走るのでなければ、日常的な扱いやすさが向上するローダウンカスタムは有効だと思います。


とは言え、操縦性が危険な領域に入るのはNG!この辺りのさじ加減が、ローダウンカスタムの難しさです。エフェックスローダウンキットは、操縦性についても熟慮されているというか、ノーマルリアショックアブソーバーの性能を加味した上で、危険な領域に入らない範囲でのローダウンができています。おかげで、高速道路の長距離移動でも何ら問題なし。


僕がこれまで携わってきた二輪専門誌の企画ならば、これでOK!企画終了となるのですが、今回のXSR700カスタム企画では、身長153cmの女子が安心して乗れるローダウンを目標としていますから、もう一歩踏み込んだカスタムを思い立ちました。それは、アクティブのハイパープロローダウンスプリングキットを組みこむこと。つまり、エフェックスローダウンキット+ハイパープロローダウンスプリングで、50mm近くのローダウンになるのでは?と予想しました。


2輪業界的には、まさに掟破りの2ブランド合体。もちろん、そもそもの想定や前提から外れたカスタム技なので、その結果については完全な自己責任になります。それを踏まえて読み進めてください。


プロトのエフェックス・ローダウンキットです。僕の体格(身長170cmくらい、体重75kgくらい)だと、ノーマルのリンクパーツと組み替えるだけで、かなりのローダウンを実感できます。操縦性についても何ら問題なし。


関連リンク

プロト

https://www.plotonline.com/



ハイパープロ・ローダウンスプリングを組みこむべく愛知県日進市に所在するアクティブへ。そのために追加したのが、ミツバサンコーワ―のETC2.0車載器です。ミツバサンコーワのETC車載器は、アンテナの性能がずば抜けており、装着自由度も高くお気に入り。ちなみに僕のオートバイは、全てミツバサンコーワ製のETC車載器を装着しています。


関連リンク

ミツバサンコーワ

https://www.mskw.co.jp/



カメラ機材などの取材道具は、ナンカイ・コンフォートシートバッグに収めました。固定ベルトはシートに巻き付けるタイプで、フック装備の少ない車両で使い勝手が良いです。


関連リンク

南海部品

http://www.nankaibuhin.co.jp/

  • ハイパープロ・ローダウンコンビキット投入!

アクティブに到着すると、ハイパープロ担当=ハイパーウダッチ&美人広報の三崎さんがお出迎え。早速ですが、このXSR700を身長153cmくらいの女子でも安心して乗れて、カッコカワイクしたいのだけれど?


「ハイパープロのローダウンコンビキットは、ノーマルと比較して20mmくらいのローダウンになります。車重のみの停めている状態(1G)では大きく沈みこまず、跨った状態(1G’)でしっかりとローダウンするので、サイドスタンドはノーマルのままでOK!というのが製品の特長ですね」(ハイパーウダッチ)


「私はドゥカティのハイパーモタードに乗っているのですけど、安心できる足つき性って重要だな~と思っています。サスペンションの事はハイパーウダッチにお任せするとして、私はカッコカワイクする方でアイデアを出します」(三崎)


おー!頼もしいお言葉。何だかワクワクしてきたぞ。


先ずはメンテナンススタンドでリフトアップ。フロントフォークスプリングの換装から着手します。取り外す関連部品が多くて、意外に時間を要しました。


本邦初公開!ハイパープロのラボに潜入です。ハイパープロのジャパンスペックはここから生み出されます。スタッフのエプロンが粋ですね!


ここでは製品のオーバーホールやセッティング変更だけでなく、出荷前に全品検査を実施しているとか。抜き打ちじゃないですよ、全品です!これには驚きました。


作業中のフロントフォークは、専用の立て掛け什器に保管されます。


ノーマルのフォークスプリングを取り外して、ハイパープロと比較。上はノーマル、下がハイパープロのコンスタントライジングレートスプリングです。コンスタントライジングレートとは、初期は柔らかく、サスペンションの沈み込み量に応じて徐々に反力が増していき、奥で踏ん張る特殊なスプリングレートです。僕はXJR1300でハイパープロを使っていましたが、街乗りでは猫足、サーキットでは不要なピッチングを抑えてしっかりとした接地感を得られるセッティングとしていました。つまり、あらゆるシチュエーション合わせてセッティング対応させやすいスプリングだと言えます。


ハイパープロのローダウンコンビキットには、専用の作動油が付属します。入れる量は同じく付属の取扱説明書に記載してあるので、作業前に熟読しておくのが失敗しないコツです。XSR700のサービスマニュアルに記載されている数値ではないので、お間違え無く。


エア抜きと油量チェックを繰り返し、適正値になったらスプリングをインサート。トップキャップを締めて、フロントフォークのスプリング交換完了です。ちなみに、フォークの沈み込みを手押しで確かめてみましたが、ノーマルはピョコんと戻りが早い。ハイパープロ仕様はしっかり押し込むと反力が高まる感じで、しなやかな動きを予感させます。


リアショックは車体を吊り上げて取り外します。ジャッキを複数用意して持ち上げて外す方法もありますが、作業時の安全性と安定性は吊り上げ式にかないません。作業性としては、フロントフォークに比べて短時間で外せました。


専用のサスペンションツールを使用して、ハイパープロスプリングとノーマルスプリングを差し替えるだけ。見ている分にはとても簡単でしたが、自宅DIYではツールが無いと難しい上に危険です。「このキットを購入いただいた場合、スプリングの交換は無償で行ないますので、お気軽にお問い合わせいただきたいです」と、ハイパーウダッチ。


ハイパープロスプリングを装着したリアショックを、元通りに取り付けて作業完了。この後、実際に跨ってみてスプリングプリロードの位置を決めます。


関連リンク

ハイパープロ

http://www.acv.co.jp/hyperpro/

  • 女子のセンスは男子と違う!?

「う~ん、やっぱりシルバーかな」と、バーエンドを眺める三崎さん。レバー色に合わせるなら赤じゃないの?

「男性スタッフは赤でしょ?って言いますよね。でも、それは男子目線。女子のセンスだと、タンクカバーのシルバー、シルバーのテールカウルに合わせる形でシルバーのバーエンドにしたくなります」

そうなんですね!では、やってみてください。

「いいんですか?やっちゃいますよー。バーエンドは私でも簡単に交換できます」


二輪業界では、スタイル抜群&色んな意味でキレッキレと評判の三崎さん。アクティブのバーエンドを数種類用意して、フィッティングをチェック。ノーマルのバーエンドを外してみると、小加工で取り付けられることが判明。「詳しくはアクティブ広報、三崎までお問い合わせください」とのこと。


「工具さえ持っていれば私にもできます」と、三崎さん。仕上げにトルクレンチを使うあたり、しっかり者だと感じさせます。装着してみると、なるほど納得。バーエンドのシルバーがアクセントになって、ちょっとおしゃれ感が増したように思いました。


三崎さんに跨ってもらい、リアショックのスプリングプリロードを調整します。最弱位置では、足つき性が良いもののフロントサスペンションの動き具合がイマイチ。最弱位置から3段目にして強めると、フロントサスペンションの動きが良くなり、「これなら大丈夫!安心して乗れそう」とのことで、仕上げの作業が完了。「ローダウンからサーキット走行まで、ハイパープロがお役に立てるシチュエーションはいくつもあります。お気軽にお問い合わせください!」


試走のために作業場から外へ。改めて跨る三崎さんの笑顔が、スプリング交換の結果を物語っているように思いました。


本当に不安のない足つき性になったのか?をタンデムでチェック。「つま先立ちのバイクだったら不安感まんてん。ゴロンと倒れてしまうところですけど、カズさんを載せても安心です。やっぱり女子目線だと、足つき性が大切ですね」


ハイパーウダッチ&三崎さんにお礼を言ってアクティブを後に、新東名高速を使って帰路につきました。約15kgの取材機材を積んだローダウン仕様のXSR700ですが、乗り心地については往路より良くなった!レーンチェンジも難なくできて、ハンドリングに違和感なし。後日に伊豆半島を走り回ってみましたが、あまりにも普通に走れてしまうので拍子抜け。むしろ猫足感が高まって、接地感もバッチリ。強いて言えば、段差の大きなところを乗り越える時に、車体の下側を擦らないように用心して進むくらい。ハイパープロを使ったローダウン作戦は大成功です!


アクティブ

http://www.acv.co.jp/

制作・協力

■ライター:KAZU中西

文筆業をメインにステージMCやラジオDJ(FMIS・カズ兄さんのモーターレボリューション)で活躍。

現在Z2(Z750Four=KZ750D)、VMAX(RP22J)、XJR1300(RP17J)を所有

プライベートではTOMCATSというモーターサイクルクラブに所属しツーリングやキャンプを満喫。

オートバイ以外の趣味はモーターボート。


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