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電動バイクの在り方、そして最適解を探る【YAMAHA E01】

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  • 2022.05.11

今回は「YAMAHA E01」をご紹介します!

この5月に応募を受け付け、7月から3か月間、国内で100台の実証実験を行うヤマハ。

その実証実験に使用される電動バイクE01をひと足お先にチェックした。

 

【目次】

1.2輪業界にもやってくるEV化の波をどう乗り越えるのか?

2.市販はされない一台

3.E01 主要諸元

 

 

  • 2輪業界にもやってくるEV化の波をどう乗り越えるのか?

125ccクラスの電動バイク ヤマハE01が発表された。モビリティの電動化が大きく叫ばれている昨今、ヤマハが新たな電動バイクをリリースしたのだ。ヤマハはこれまで、1991年の東京モーターショーの参考出品以来、2002年には、量産初の電動二輪車であるパッソル、さらにはEC-02、EC-03、そしてE-Vinoと継続的に50ccクラスのEVの提案をしてきた。

 

その次なる一台が原付2種(125cc)クラスの都市型コミューター、E01である。「都市内移動ではなく都市間移動」も見据えた、容量の大きなバッテリーを搭載し、急速充電にも対応した一台である。

 

ヤマハが専用開発した空冷交流同期モーターは、平角線を使ったもので業界最高レベルの出力やトルク密度、高効率化を実現したという。その出力を静粛性に優れているベルトドライブを介して後輪を駆動する。その動力となるバッテリーは、満充電で航続距離約104kmを実現する大容量のリチウムイオン電池を搭載する。バッテリーを取り外して充電するE-Vinoと違ってバッテリーは固定式となるため、充電は車両前部に備え付けられた充電コンセントを利用することとなる。

 

これまでのヤマハのEVと異なるのが、「実証実験用電動スクーター」という点である。開発陣は、「現在EVの航続距離とバッテリー(およびその充電方法)の最適な組み合わせが見つけられていない」と語る。航続距離が短ければ電池容量も小さく軽くなる。容量が小さければ充電時間も短くて済み、着脱も可能となる。しかし、都市間移動もこなすようなコミューターとなると、バッテリーの大容量化は避けられず、バッテリーの重量は大きくなり、取り外して持ち運べないサイズとなってくる。もちろん充電時間も、充電インフラも必要となってくる。

 

充電リッドはフロント正面センターに設けられており、その充電方法は、急速充電器、普通充電器、ポータブル充電器の3種の充電器に対応する。急速充電は、約1時間の充電で、空の状態から90%の充電が可能となる(バッテリー保護のため、残量90%で充電停止)。200V電源の普通充電は約5時間の充電で、空から100%の充電が可能。普通の家庭用電源を使用するポータブル充電器からだと約14時間で100%の充電となる。

 

充電コンセントの形状は、現在はヤマハ独自の規格となる。これはヤマハが提唱する小型モビリティへのDC充電規格ということで、今後正式に規格として成立するかもしれないが、今回は実証実験ということもあって、この規格の充電方法を使用する。充電プラグは非常に軽量でケーブルも細めと、操作性は悪くはない。

 

  • 市販はされない一台

車両は125ccエンジンを搭載したヤマハのNMAXとほぼ同サイズである。実際にまたがってみてもシート高755mmと十分な足着き性もある。158kgの車両重量(バッテリー装着)はNMAXが131㎏であることを考えると、ずいぶん重いという印象だが、バッテリーはセンター下に低く配されており、低重心なイメージだ。

 

スマートキーシステムを採用し、キーレスで起動が可能。ハンドル下センターにあるメインスイッチを押してから回転させてイグニッションオン。そしてスタートボタンを押せば走行が可能になる。また、左ハンドルの前方側のリバーススイッチと右ハンドルのモードボタンの同時押しで時速1km/hで後進できるリバース機能も用意されている。

 

実際の走行してみると、やはり非常に静かなことがよくわかる。まさに、音もなくという感じだ。時速40kmでの走行の場合、道路の反対側で58dBほどの騒音となるが、NMAXは68dBほどを発生するため、比較をすると約10dBほど低騒音となる。音だけでなく、不快な振動も少ない。これは疲労の軽減にもつながって、より安全運転に集中できるともいえる。

 

非常にスムーズで、スロットルにタイムラグなくリニアに反応するこの走り出しは、モーターならではのトルク感とも相まって、爽快な感覚だ。また後輪スピン傾向を検知するとそれを抑制するトラクションコントロールも装備する。

 

乗った感覚としては、下のほうに重心があって、操作していてもそれほど不安になる要素はない。速度というものは慣れてしまうものだが、加速という感覚は何度も人を楽しませるものだということが実感できる。静かにそれほど振動もなく加速していく走りはただただ楽しい。

EVの特徴ともいえる回生ブレーキは控えめである。これはエンジン車からの乗り換えに不安がないような配慮となる。ただ、あまりにも控えめであるため、回収したエネルギーによって航続距離が延びるほどということはないようである。

 

しかし、この楽しい乗り物は、あくまで実証実験のモデルであり、個人が所有することはできない。ただ、個人リースというカタチで乗れるチャンスはある。国内で100台限定ではあるが、月々2万円(税込)のリース料で、7月にデリバリーされ、3カ月間使える。この時期について、より多くの方に乗ってもらいたいという意味を込めて、梅雨時期と寒くなる時期を外した季節を限定したという。

 

満20歳以上で、小型限定普通二輪免許(AT限定含む)以上の二輪免許を保有し、かつ応募者名義のクレジットカード保有していれば、実証実験への応募が可能。応募期間は2022年5月9日(月)から5月22日(日)までとなっている。モニターに当選したらヤマハ発動機と個人リースの契約を結び、全国のYSPの内の最寄りのショップで借り出しとなる。

 

  • E01 主要諸元

■原動機種類:交流同期電動機 ■定格出力:0.98kW ■最高出力:8.1kW(11PS)/5,000rpm ■最大トルク:30N・m(3.1kg・m)/1,950rpm ■全長×全幅×全高:1,930×740×1,230mm ■ホイールベース:1,380mm ■シート高:755mm ■車両重量:158kg ■バッテリー種類・容量:リチウムイオン電池・4.9kWh(社内測定値) ■タイヤ 前・後:110/70-13M/C 48P(チューブレス)・130/70-13M/C 63P(チューブレス) ■航続距離:104km(60km/h定地走行テスト値) ■充電時間:約1時間(急速充電)・約5時間(普通充電)・約14時間(ポータブル充電)

 

縦型のデジタルスピードメーターはシンプルなデザインを採用。

 

シート下にはヘルメットを収納するスペースが用意されている。

 

ポータブル充電器は車両に標準装備されており、シート下に収納が可能だが、ヘルメットとの同時収納は出来ない。

 

クリーンな印象と静粛性を考え、駆動伝達には、ベルトドライブ式を採用。

 

フロント部に充電口、そしてその周囲に縦にポジションランプを配し、そのイメージは既存の原付2種の車両とは大きく異なる。

 

 

走行モードはPWR(パワーモード)、STD(標準モード)、ECO(エコモード)を用意。右ハンドルのMODEスイッチで操作する。

 

灯火類の全てにLED灯を採用している。

 

バッテリー、モーターともに空冷式となる。

 

起動ボタン下にあるオープナーを押すと給電口が開く。充電はヤマハ独自規格で行うが、充電プラグは軽く、非常に扱いやすい。

 

フロントのカウル内側にはフロントトランクも用意し、右側にはDC12Vジャックも用意する

 

パールの強いホワイトとブラック、そしてシアンアクセントはヤマハのEVをイメージとなる。

 

制作・協力

■試乗・文:青山義明 

■撮影:赤松 孝、青山義明 

■YAMAHA

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