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【YAMAHA MT-25】ライダーのスキルを選ばず いつでもどこでも誰とでも

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  • 2022.03.29

今回は「YAMAHA MT-25 」をご紹介します!

街中でMT-25が目につく。実際の250ランキングでも兄弟車のYZF-R25と一緒のデータだが、ランキング4位(2021年上半期 売台数ランキング)に入っている。MT-25の魅力の秘密を探った。

 

【目次】

1.MT-25の人気は上昇中!

2.恐怖感を生まないコントロール性能

3.MT-25 主要諸元

 

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  • MT-25の人気は上昇中!

いつでもどこでも誰とでも̶̶。それが250ccスポーツの人気に、絶対的必 条件だ。ビッグバイクのように、乗る時に「ヨシッ」とひと気合い入れる必 もないし、ミニバイクよりも実 の行動範囲が広いから、いつでもどこへでも行ける。それに、操作が難しくなくイージーだから にでも乗れるカテゴリーなのだ。

昨年「二輪車新聞」紙上で発表された2021年上半期の250cc 売台数ランキングは、

①ホンダ レブル250 3712台

②カワサキ ニンジャZX-25R 2363台

③ヤマハ セロー250 2253台

④ヤマハ YZF-R25 MT-25 2157台

⑤ホンダ CRF250L RALLY 1965台

という結果だった。2008年にニンジャ250Rが発売されてから、ずっと250ccスポーツのメインとなってきた「2 気筒スポーツバイク」では、ヤマハYZF-R25 MT-25が 売台数トップとなったわけだ。2気筒スポーツバイクでは、おそらく今最も人気のあるロングセラーが、このYZF-R25/MT-25ということなのだろう。

 なかでも、MT-25の人気が上昇している、という肌感触がある。局地的かもしれないし、私が街で見たのがたまたま、というケースもあるかもしれないけれど、フェイスリフトを受けた現行のMT-25をよく見かけるようになったのだ。

 MT-25は、兄弟モデルYZF-R25のノンカウルモデルで、カウルの有無、ライデイングポジションくらいしか違いはないが、その「いつでもどこでも」度は、R25を凌ぐもの。フルカウルでセパレートハンドルを装備した、スポーツ度の高いR25よりも気軽に乗り出せるのだ。

 エンジンは両モデルとも共 の水冷直列2気筒DOHC4バルブ。ライバルモデルと比べても、低回転からトルクがあり、このクラスの平均的な常用回転域である4000~8000回転といったあたりの力が強い。これはR25にも共通の出力特性で、フルカウルモデルだから、ネイキッドだから、という味付けの違いはなさそうだ。

 スロットルに対するレスポンスもシャープなので、右手の操作に忠実に、欲しいだけのトルクを取り出せる。ということは、減速しようとした時の回転のドロップもシャープで、加減 にメリハリのあるライディングができるということ。これが、「扱いやすい」という表現のひとつだ。

 パワーが盛り上がってくるのは5000回転あたりからで、高速道路では、トップギア6速80km/hで5600回転、100km/hで7200回転、120km/hで8500回転といったあたり。250ccモデルとはいえ、このスピード域でもフラつくことはなく直進安定性は高く、とはいえレーンチェンジでは軽快なクルージングを味わうことができる。

 普段使いの街乗りでは、やはり4000~7000回転あたり。キビキビ走ろうとするときには低いギアで回 を引っ張り気味にして、のんびり走るなら高いギアで早めのシフトアップでとことこ、という使い分けができるエンジン特性だ。

 

  • 恐怖感を生まないコントロール性能

そして、いざスポーツランをしようとワインディングに持ち込むとMT-25の真価を感じることができる。使いやすいと思っていた低回 のトルクは武器になり、パワーが盛り上がってくる回転エリアを使うと、さらに扱いやすさが増すのだ。

 その時のハンドリングが、また真っ当な250ccスポーツという感じ。つまり、誰にでも恐怖感なく、コントローラブルな手応えなのだ。

 特に、現行モデルで採用された倒立フォークのおかげか、フロントまわりのしっかり感が出てブレーキングが不安でなく、なおかつハンドリングに重さを感じないキャラクター。

 ブレーキングからバイクを寝かせていくときの手応えがあって、寝かしこみが すぎない。これはスピードを上げていき、ブレーキングはハードになると、どんどんシャープな方向に変わっていくので、たとえばサーキットのスポーツランなどでは、もっとシャープなハンドリングに感じることになるだろう。ワインディングでも、流していくときと攻めていった時のハンドリングの違いが分かりやすいキャラクターなのだ。

 これはビギナーが不安なくコントロールできるもので、ライダー歴の長いエキスパートは、これをどんどん攻めていって、高い限界を感じることにつながるタイプ。スピード域、特にブレーキ入力で操舵系の特性が変わってくるのだ。

 ここで気づいたのは、R25の方がやや軽快に、切り返しなどではヒラヒラ感があることで、これはどうやらタイヤ銘柄の違いからくるようだ。R25はIRCのRX-02を、MT-25はRX-01を履いているようで、RX-02の方がタイヤ設計年度が新しいだけに、この違いになっているのかもしれない。

 一時期は、ライバルが登場するごとに、より高性能に動力性能を高めていった日本のスポーツバイクも、どうやら過当競争が静まって、モデルごとの特徴が現われるようなモデル造りをするようになった。サーキットのスポーツランに特化するならこっち、ロングツーリングに向いているのはこっち、という得意項目があるのだ。

 その意味でMT-25は、街乗りから高速道路、ワインディングという守備範囲が広く、やはり250ccスポーツの目指すべき方向なのだと思う。

 MT-25人気の秘密、ここにあり 

 

  • MT-25 主要諸元

●MT-25 主要諸元

■エンジン種類:水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ ■総排気:249cm3 ■最高出力:26kW(35PS)/12,000rpm ■最大トルク:23N・m(2.3kg・m)/10,000rpm ■全長×全幅×全高:2,090×755×1,070mm ■ホイールベース:1,380mm ■シート高:780mm ■車両重量:169kg ■燃料タンク容:14L ■タイヤ 前・後:110/70-17M/C 54S(チューブレス)・140/70-17M/C 66S(チューブレス)  ■燃料消費率(国土交通省届出値、定地燃費値:37.7km/L 60km/h  2名乗車時、WMTCモード値:27.2km/L(クラス3、サブクラス3-2)1名乗車時 ■メーカー希望小売価格(消費税10%込み):621,500円

 

前後セパレートのシートは、タンク後端が絞り まれ、足着き性を向上させる。

250ccらしからぬボリュームを感じさせるタンクカバー。フィット感も向上。

アナログ デジタル併用からフル液晶に進化。ギアポジションも表示する。

ヘルメットホルダーはタンデムシート部のフックを使用してシートと共締め。

2in1レイアウトの集合マフラー。低く太いサウンドは静粛性に優れている。

テールアップスタイルのスポーティさもMT人気の一因。テールランプもLED。

現行モデルからABSが標準装備となったΦ298mmのシングルディスクと片押し2ピストンキャリパーの組み合わせ。ホールは5本Y字型スポーク。

ホイールベースに対してスイングアーム長を長く取ることで、リアサスの動きをよくするYZF-Rシリーズ共通の手法。タイヤは前後IRC RX-01。

YZF-R25と共 の水冷DOHC4バルブ2気筒。エンジンに大きな変更はない。

R25との最大の違いがこのバーハンドル。先代MTよりも44mm位置を上げた。

中央下が丸型LEDヘッドライト。眉状のポジションランプ、ウィンカーもLED。

出力特性は市街地での使用をメインに えた低~中回転のトルクの厚いタイプ。

 

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制作・協力

■試乗・文 中村浩史 

■撮影 赤松 孝 

■協力 ヤマハ発動機

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