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中央大学で開催!「モーターサイクルフェスティバル by中央大学二輪愛好会&Honda」

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  • 2017.05.18

5/13(土)中央大学多摩キャンパス内で行われたメーカーとの共催イベント「モーターサイクルフェスティバルby中央大学二輪愛好会&Honda」をレポートします。 昨年9月、好評であった「群馬大学モーターサイクルカレッジ」に続き、今回も二輪を操る楽しさや安全運転スキルを学ぶ意義のあるイベントです。

■「モーターサイクルフェスティバルby中央大学二輪愛好会&Honda」

■撮影場所 / 中央大学 多摩キャンパス内 特設会場および第3駐車場

  • 午前は二輪車の開発に関する講和およびディスカッション

5月13日(土)中央大学 多摩キャンパス内において行われた「モーターサイクルフェスティバルby中央大学二輪愛好会&Honda」は、昨年9月に群馬大学で開催された「群馬大学モーターサイクルカレッジ」に引き続き、今回は中央大学二輪愛好会の主催、(株)ホンダモーターサイクルジャパン共催で開催されました。イベントは中央大学と近隣の大学の生徒を対象とし、二輪車の開発、製造、生産に関わる技術や、二輪車を操る楽しさと利便性を享受するための安全運転スキル向上を、多くの学生に啓蒙することを目的としています。


午前中は、建物内の特設ホールにおいて二輪車の開発に関する講和およびディスカッションが、(株)本田技術研究所二輪R&Dセンター林上席研究員により行われました。パネルを用いながらの「自己紹介」、「世界の二輪マーケット」、「二輪を取り巻く課題(環境問題)」、「二輪を取り巻く課題(安全問題)」、「今後二輪車に求められる先進技術」、「基礎研究と量産までの流れ」と、学生とのディスカッションの順で行なわれました。


講和の題名だけを見ると硬い内容のように感じられるかもしれませんが、実際はとても分かりやすく二輪の現状を解説していただき、写真を使いながらの説明はご自身の経験等を交えてお話して、自分自身もとても楽しめました。ご自身が初代Dioのエンジン、DCTの開発に関わったことなど研究所においての経歴を紹介した後、世界の二輪の市場規模、各国での使われ方を解説しました。


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中でも興味を引いたのが新興国と先進国での二輪車の使われ方の違いです。経済状況の向上における移動手段の移行は、二輪車が「日常の足」から「趣味の道具」に変化する関係性を説いて、販売台数の推移(GDPが上がると市場規模は縮小)においては80年代以降の日本にも当てはまる現象と受け取りました。また、先進国の中でも日本、北米、EU等の各エリアでの二輪車の使われ方の違いの解説も、各国のメーカーの方向性の違いを理解するのに役立ちました。


また、環境問題、安全問題等の喫緊の課題の対処事例や二輪車の自動運転を含む将来の技術革新等、あっという間に時間が過ぎました。学生とのディスカッションでは各国の行政や交通インフラとの関わり方や環境への対策、免許制度等におけるホンダの対応の質問に対し、このような問題に対しては今後はもっと他のメーカーとの連携が必要で、勝負の場はあくまで製品の「技術」というお言葉には、さすが技術者という思いがしました。

  • 午後は屋外の特設コースでライディングスクールから開始

午後は屋外に場所を移して、駐車場を利用した特設コースでライディングスクールと体験試乗会でした。この日は残念ながら朝から雨模様で、午後は本降りでしたが、それでも30数名が自己の車両を持ち込んで参加しました。


まずは、ライディングの前にインストラクターによる話があり、ウェアの知識に始まりライディングポジション、体重移動、ステップ荷重、視線等の解説を約1時間使って行いました。時折ギャグを交えながらの話術は巧みで、気持ちを切らさず聞くことが出来たのか、学生の方々も終始集中していました。


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その後はパイロンで仕切ったコースでの実践で、メインは歩く位の速度で行うS字の切り返し。インストラクターが近くでアドバイスを行いながらの指導は大変熱が入って、傍らで見ているだけでもたいへん参考になりました。終了後に直接お話を伺った際に「このようなコースでは走行時、アクセル開度は一定で速度調整はクラッチとリアブレーキで。」というのはさらに勉強になりましたね。


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コーナー時は、よく言われる出口へ「視線を向ける」のではなく「胸を向ける」というのは、モンキーを使ってコーナー時のハンドルの状態を再現しつつ解説していたのが印象的です。


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参加者もインストラクターも雨の中を走るのは大変だったと思いますが、「このような状況でも学ぶことはある」という言葉通りの熱意が伝わってくるスクールでした。これがメーカーの協力のもと、学校の敷地内で行われることに羨ましさを感じましたね。


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  • 最新モデルの体験試乗会も行われました!

最後に発売直後のX-ADVやレブル250を含む、試乗会が行われました。スクール用に参加者の持ち込んだ車両は、国内メーカー製の大小排気量モデルに加え、輸入車メーカーのも数台ありましたが、皆、試乗車には興味深々で各車両とも大人気でした。




また、RC213V-Sの跨り体験やエンジン始動まであり、これも貴重な機会だったのではないかと思います。


■モデルはレッドブルの「Wings Team」


もう一度言いますが、これが学校の敷地内で行われるなんて、ホント羨ましい限りです。午前10時から午後5時までの長時間でしたが、中央大学二輪愛好会スタッフの方の行動もスムーズで、大変充実したイベントだったのではないかと思います。



<まとめ>

今回は大学と企業のコラボレーション イベントの取材でしたが、一般向けにもお願いしたいくらいの内容でした。二輪車を取り巻く環境や安全対策、世界の状況等をメーカーの方が解説してくれる機会はそうそうありませんので、今後、他の大学での展開にも期待をしたいイベントです。当日は雨で二輪車にあまり関わりのない学生が屋外の走行イベントに飛び入りで見る状況でなかったのは、ちょっと残念でしたね。実際に見れば十分に興味を持つ内容だったと思います。屋内で聞いたお話も開発の中での具体的なエピソードは興味深く、やはり製品開発には情熱と行動が必要というのが学生の方々にも伝わったのではないかと思います。


制作・協力

 (株)ホンダモーターサイクルジャパン

 中央大学


(写真・文)森井智之

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