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【今週のレア車】Vol.100 ベネリ トルネード900RS
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- 2018.01.31
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。 記念すべき100回目の今回は、まさにレア車と呼ぶに相応しい、極めてレアで独創のイタリア製バイク、ベネリトルネード900RSです。
ベネリは1911年にイタリアで設立された歴史あるバイクメーカーですが、ヨーロッパの中小メーカーに
よくある、経営権の変更や消滅を経て、現在は1995年に復活、新生ベネリ社として、ミドルクラスの
スポーツバイクや電動アシスト自転車を生産・販売しています(現在は中国資本傘下)。
日本では知名度が低いですが、50代以上の方なら、1970年代にCBX1000、Z1300 に対抗した
直列6気筒バイク“ベネリ900セイ”や、最近の方なら、2001年にスーパーバイク選手権に、今回
ご紹介するトルネードのベースとなったバイクで参戦していたのでご記憶の方もいらっしゃると思います。
トルネード900RSは、2002年に発売された900Treをベースとし翌2003年に発売されたアップグレード
版となります。トルネードの特徴は、水冷3気筒、142PSの高出力エンジンや、イタリア製ならではの
惜しげもなく使われたカーボンや有名ブランドパーツ等もありますが、そこがポイントではありません。
冷却系がとにかく独創的なんです。
このバイク、なんとラジエターがリアタイヤハウス内に設置されています。ではどうやって冷却するかと言えば、
フロントカウル脇から採り入れた空気を、サイトカバーを通しラジエターまで流しているのです。
その後リアシート下に設置された2つのファンで強制的に後方排出しています。
ちなみに何でこんなに複雑なシステムにしているかと言うと、さすがレース仕様が下敷きだけあって、
コーナリング性能を重視する為にエンジンを前方・低重心に設置、その為ラジエターをシート下に配置、
排出効果を上げる為にファンを設置、という事のようです。
残念ながらレースでは目立った実績は上げられなかったようですが、何にも似ていない、独創性は
さすがイタリアならではと思います。
恥ずかしながら私も今回初めてこのバイクを知りました。発売当時の価格は300万弱の高額車で、
ディーラー網もないメーカーであり、日本には極少数しか恐らく輸入されていないと思われます。
現車は既に初度登録から10年以上経過していますが、さすがの程度上。
新車時よりだいぶ価格もこなれているので、人と違ういいモノを求める人にはうってつけの選択です。
両サイドウィンカー下にスリットがあり、そこからサイトカバー内のダクトを経由、ラジエターへ。独創的です!
排気ダクトです。 画像お借りしました。有難うございます。http://worldrun.jugem.jp/?day=20091214
バイクの窓口編集部