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【今週のレア車】Vol.144 ホンダ CL175
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- 2018.12.19
毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。 今回は、大阪万博と同い年のホンダCL175です。
このバイクが発売された1970年はアジア初且つ日本で最初の国際博覧会(通称:大阪万博)が開催された年です。「人類の進歩と調和」をテーマに掲げ世界77ヵ国が参加して戦後、アメリカに次ぐ経済大国となった日本の象徴的な意義を持つ国家イベントとして開催されました。(有名な「太陽の塔(岡本太郎作)」はこの大阪万博のシンボルとして建設されたパビリオンです。ご存じでしたか?)
そんなまさにイケイケの昭和の時代に颯爽と?現れたのが今回のレア車「CL175」です。同時期に兄弟車のCB175も発売されていますが、そちらが「ハイウェイも走れるスーパースポーツ」を売りにしたのに対しCL175は「ハイウェイからラフロードまで走れるスクランブラー」が売りでした。
搭載する4サイクル並列2気筒OHCエンジンは最高出力19馬力、最高速度130kmと当時としてはハイパフォーマンスを発揮しています。軽量且つ高剛性のセミダブルクレードルフレームとフロントにテレスコピック、リアにスイングアームとカルボン式のショックアブソーバーを装着し悪路も軽快に走る性能を備えていました。
クランクケース下のストーンガードやアップマフラー、ブロックパターンのタイヤなどもどこへでも走っていけそうなスクランブラーとしてのイメージを強くしています。
そんなCL175は1964年の東京オリンピックを契機に急速に進んでいった日本のモータリゼーションと、高度経済成長によってどこまでも大きくなれる気がした当時の日本にオーバーラップします・・などと言ったらノスタルジー過ぎでしょうか。(ノスタルジーとは、フランス語で「過ぎ去った時間や時代、ふるさとを懐かしむ気持ち」の意味)
今回の現車は、正直このままでは商品車としてはおすすめできません。全体的に手をかけコストをかけてレストアが必要な個体です。その疲れた車体はもしかしたら今の日本のようだと言えるかもしれません。
図らずも2020年は2度目の東京オリンピックが開催され、つい先日2025年、大阪で2度目の万博が開催される事も決定しました。その頃には今以上に元気のある日本になっている事と、このCL175が復活して元気に走りまわっている事を切に願います。