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【今週のレア車】Vol.145 ホンダ NS400R

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  • 2018.12.26

毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は、レーサーレプリカブームに乗り損ねたレプリカ ホンダNS400Rです。

時はバイクブーム真っ只中の1980年代、当時の世界GP最高峰クラスである500ccクラスを戦うために、ホンダが開発した2ストロークエンジンのワークスマシンがNS500でした。当時の500ccクラスのマシンは2ストローク4気筒エンジンが主流だったのに対し、2ストロークV型3気筒エンジンを採用したのが最大の特徴です。


1982年に世界GPにデビューすると同年には早くも3勝を上げ、1983年にはフレディ・スペンサーが駆って世界シリーズチャンピオンを獲得したのを覚えていらっしゃる方も多いと思います。(当時、街中でスペンサーレプリカヘルメットを被っているライダーのなんと多かったことでしょう(^^)♪)



そんなNS500のレプリカモデルとして1984年に登場したのがこのNS400R(NC19)です。ワークスマシンNS500とフレディ・スペンサーによる大活躍によってこのレプリカモデルは一躍脚光を浴び爆発的に売れた・・・と言いたいところですが実はそうはいきませんでした。



その理由の一つに先行して販売していたMVX250Fの存在が挙げられます。


MVX250Fは商品イメージを託したNS500と同じ2ストロークV型3気筒エンジンを採用しているにもかかわらずシリンダーレイアウトが前後逆転し、スタイルが似ていないという点と、そのエンジンも焼き付きやすいという悪評もあってわずか1年で後継モデルのNS250Rへモデルチェンジされた、これまた悲運のレア車です。

(このモデルについては「今週のレア車Vol.74」 https://www.moto-auc.com/report/else/vol74mvx250f にて解説していますので宜しければそちらもご覧ください。)



NS400RはそんなMVX250Fと同じレイアウトの2ストローク3気筒を搭載し、フルカウルこそ纏ってはいましたが、ダブルシートやゴムラバーが付いたステップ、細いリアタイヤなどレーサーレプリカと名乗るには?なスペックと相まって、当時のユーザーからの評価は微妙でした。


広告宣伝にフレディ・スペンサーを起用しレプリカアピールをしていたのも違和感を生む原因だったかもしれません。


見た目は似せてはいるものの、本物の戦うワークスマシン、NS500との違いを埋めきれなかった「無理やりレプリカにされた悲運のレプリカ」NS400Rですが、今見ると普通にかっこいい!と感じるのは何故でしょうか? 今なら手元に置いておいて、たまにオイルの焼けるにおいを嗅ぎながら峠道を気持ちよく流してみたいと思わせる1台だと思います。


流通している車体色はロスマンズカラーが多い中、こちらの現車はトリコロールカラー、しかも走行1万Km足らずの貴重な個体です。シングルシートカウルもばっちりキマっていますね♪どこかのお店で発見したら要チェックです!




このアングルからのマフラー配置がたまりません!(^^)!

当時の広告。ライダーは世界チャンピオン フレディ・スペンサーです!


制作・協力

バイクの窓口編集部

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