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【今週のレア車】Vol.156 ヤマハRZ125

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  • 2019.03.19

毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は、モータースポーツの隠れた立役者 RZ125です。

RZシリーズは、かつてヤマハ発動機が製造していたオートバイの呼称です。


50ccから350ccまでの小、中排気量別に製造販売されていました。


最初に発売されたのは1980年8月、それまで販売していたRD250の後継車種として開発されたRZ250でした。

このモデルは、1970年代からの排ガス規制強化により2ストエンジンの採用が減っていく中、最後の2ストスポーツモデルを作るというヤマハの想いから誕生したと言われています。



その思いは、翌年発売されたRZ350にも注がれていました。


100ccの排気量アップから生まれる高回転域での伸びやかさは250ccのそれを上回り、引き上げられたパワーウェイトレシオは走行性能の向上につながっていました。そのスペックは当時の750ccに匹敵し、そのためナナハン(750cc)キラーの異名で語られる事が多かったのです。



これらの250ccと350ccの存在によって早くもその名を知られたRZシリーズですが、次に発売されたのが今回のレア車、RZ125でした。


RZ125はその特性からも大きく初期型と後期型に分けられます。


初期型の13W型が発売されたのが1982年、20PS/9500rpmのピーキーな高回転型エンジンを搭載し、2ストならではの加速感を味わえるバイクとして人気を博しました。


その後数度のモデルチェンジを繰り返して1985年4月発売の1GV型が最終モデルとなります。



このIGV型の大きな特徴(前期型との違い)はよく言われる事ですがY.P.V.S (YAMAHA Power Valve System) を搭載している事です。

Y.P.V.Sはヤマハの可変タイミング排気バルブ装置で、この装置のおかげで22PS/9500rpmと前期型よりも高出力ながらマイルドな特性を持ったエンジンとなっています。

(中には前期型のピーキーな加速感を求めてY.P.V.Sの機能を止めていた人も・・・)



そして、意外なことにこのバイクの活躍の場は公道よりもサーキットにありました。



1980年代中盤から盛んになってきたモータースポーツですが、そのカテゴリーの一つにプロダクションレース(公道走行可能な一般市販車あるいはその改造車を用いたレース)があり、あまりコストのかからない入門クラスとして人気がありました。


RZ125はその特性に好みこそあれ、ハイスペックな素性からかこのプロダクションレースのベース車両として使用される事が多かったのです。


このクラスには当時ライバルのスズキRGガンマ125やカワサキAR125のエントリーもありましたが、圧倒的に強いRZ125の独壇場となり数年間ワンメイクレース状態でした。


その後1987年に後継のTZR125にその座を譲り、レースでの使用もだんだんTZRへと移っていったのです。



このように戦闘能力の高さをサーキットで証明し、しばらくワンメイク状態にしたRZ125ですが、現存する個体は極端に少ないようです。その兄貴分のRZ250と弟分のRZ50は比較的タマ数が多いのに対して街中でもお店でも見る機会はほとんどないのではないでしょうか。

(RZ350はこれはこれでレア車です。過去の記事【今週のレア車】Vol.18にも掲載していますので興味のある方はぜひご覧下さい。)

https://www.moto-auc.com/report/else/vol18



今回の個体は最終型の1GV型ですのでY.P.V.S付きです。ただし外装は初期型にあったゴロワーズ・カラーに塗り替えられています。私は個人的にこちらのカラーの方が好きなので大変気になっています!(^^)!


他にも気になる方がいれば要チェックです!

140kmまで刻まれたスピードメーターも本調子なら振り切る?

初期型の当時のカタログ。今回のレア車と同じカラーリングです♪

制作・協力

バイクの窓口編集部

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