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【今週のレア車】Vol.174 ホンダ イーハトーブ

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  • 2019.08.10

毎週木曜日に行われる業者間バイクオークションに、全国から出品される中古バイクの中から、レア車をピックアップしてご紹介するこのコーナー。今回は、ホンダ イーハトーブです。

なんだか聞いたことのある名前だな、と思った方も多いのではないでしょうか。


イーハトーブとは、詩人であり童話作家の宮沢賢治による造語です。


彼の故郷である岩手県をモチーフとした心象世界にあるユートピアを指す言葉であるとされており、宮沢賢治の作り出したこの言葉は、彼の作品だけにとどまらず広く知られるものとなりました。

主に岩手にまつわる事物の名称に用いられる事が多い中、なぜバイクの名前になったのでしょう?


それは、本田技研工業株式会社のホームページに以下のように記載されています。



〈IHATOVO:雄大な自然の中で、風と語り、透き通った空気を人生の“糧”とする、子供等のドリームランドとしての岩手県。宮沢賢治が正しい者の種子の発芽をたくして、世界中の子供達に贈った言葉です。ホンダは、自然との融和の中に、人間の幸せがあり、それを育む1つの手段としてのモーターサイクルを考えました。人間と自然との関わりを、モーターサイクルを介して、より良いものに しようとの願いをこめて、“イーハトーブ”と命名いたしました。(本田技研工業株式会社HPより抜粋)



実はイーハトーブの前身には、バイアルスTL125というバイクが存在しました。バイアルスはバイク・トライアルスを縮めた造語です。

まだトライアルという競技が一般的でなかった時代の1973年に発売された空冷4ストロークSOHCエンジンを搭載したこのバイクは、入門用として初心者でも扱いやすくチューニングされ、日本国内にトライアルというカテゴリーを広めつつ1979年まで販売されました。


イーハトーブはこのバイアルスTL125に似てはいたものの、実はほとんど共通部品を使っていない別物のバイクです。


先の命名理由にもあったように、当時(イーハトーブの発売は1981年)のホンダは、トライアルでもモトクロスでもなく、自然の中をもっと気負わず走り回れるようなバイクを作りたかったのではないでしょうか。


今見てもスタイリッシュな細みのデザイン、軽量、コンパクトなパッケージのこのバイクは、仔馬のように颯爽と自然の中を駆け抜けるシーンが似合いそうです。


今回の個体は程度もよく、各部のツヤも残っている掘り出し物。オークション結果が楽しみです♪

スリムなタンクは機能美を感じさせます(^_^)

シンプルな4サイクル空冷単気筒SOHCエンジンは8.5PSを発揮します。

制作・協力

バイクの窓口編集部

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